中国の国有エネルギー大手の中国石油化工集団(シノペック)は4月12日、カタールのノースフィールド・ガス田の東部拡張(NFE)プロジェクトに資本参加すると発表した。カタールの国営エネルギー企業のカタールエナジーが、NFEの開発にあたる事業会社の発行済株式の1.25%分をシノペックに譲渡する。
「中国は世界で最も重要な天然ガス市場の1つであり、カタール産のエネルギーの主要な販売先だ。このプロジェクトは、カタールと中国の相互協力のモデルケースとなるだろう」
カタール政府のエネルギー・産業相で、カタールエナジーのCEO(最高経営責任者)を兼務するサード・シェリダ・アルカービ氏は、シノペックの資本参加についてそうコメントした。
NFEの総投資額は287億5000万ドル(約3兆8359億円)に上り、世界各地で開発中または計画中のLNG(液化天然ガス)プロジェクトのなかでも最大規模だ。年間4800万トン超のLNG生産能力を整備し、2026年の稼働を目指している。完成の暁には、カタールのLNG生産能力は現時点の年間7700万トンから同1億2500万トン以上に拡大する。
アジア企業として初の参画
カタールは天然ガスの埋蔵量が世界第3位。LNGの生産量と輸出量でも世界上位の座を長年維持してきた。
そんななか注目されるのは、今回の資本参加により、シノペックがNFEの事業会社に出資する初のアジア企業となったことだ。カタールエナジーは2022年6月にNFEプロジェクトの始動を宣言。その後、フランスのトタルエナジーズ、イタリアのENI、アメリカのコノコフィリップス、エクソンモービル、イギリスのシェルから合計25%の出資を受け入れていた。
なお、シノペックは2022年11月にカタールエナジーとLNGの長期供給契約を締結し、年間400万トンを27年間にわたって調達することを決めている。NFEプロジェクトへの資本参加は、その延長線上の動きにほかならない。
(財新記者:郭霁瑩)
※原文の配信は4月12日
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