一見「普通の駅」が地域に愛されるデザインの秘密 「銀河」の川西氏が手がけた神戸電鉄花山駅
2022年1月から行われていた神戸電鉄花山駅のリニューアル工事と駅前広場の整備工事が完了し、3月25日に同駅前の広場で完成記念式典が開催された。
リニューアル後の駅舎はバリアフリースロープや聴覚障害者用案内端末が設置されるなどバリアフリー対策が充実している。そのほかにベンチや駅前広場なども新設された。とはいえ、一見するとどこにでもあるような駅と変わりない。
だが、駅舎デザインを担当したのが川西康之氏だと知れば話は違ってくる。川西氏はJR西日本の長距離列車「WEST EXPRESS(ウエストエクスプレス)銀河」、えちごトキめき鉄道の豪華観光列車「雪月花」などのデザインで鉄道ファンには知られた存在。現在はJR西日本の新型特急「やくも」のデザインが佳境を迎えている。
デザインには必然性がある
駅舎のデザインでも国内外のコンクールで賞を総なめにした土佐くろしお鉄道の中村駅のほか、昨年リニューアルした近鉄の結崎駅など実績は多い。駅周辺地域の歴史を丹念に調べ、住民の声を聞くなど徹底したリサーチを行い、それをデザインに落とし込むのが川西氏の特徴だ。だから、素人目には普通に見える駅舎にも、そのデザインでなければならない理由がある。
完成した駅の見物客の中に、川西氏の姿を見つけた。さっそく、川西氏をつかまえて、駅舎リニューアルの概要について聞いてみた。予想にたがわず、この駅舎のデザインには必然性があった。
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