阪急「名車列伝」、伝統の"マルーン"がファン魅了 6300系登場時や「ダイヤモンドクロス」の思い出

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阪急京都線6300系
崇禅寺付近を走る登場時の阪急6300系(撮影:南正時)
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阪急電鉄京都線の6300系「京とれいん」が、2022年12月11日をもって大阪梅田―京都河原町間の営業運転を終了した。これによって、1975年の登場以来京都線のフラッグシップとして47年間にわたり第一線で走り続けた6300系が、ついに京都本線から引退した。

6300系は、登場翌年の1976年には阪急として初、そして現在に至るまで唯一の、鉄道友の会「ブルーリボン賞」を受賞した車両だ。筆者は1977年にその勇姿を取材し、特急車らしい2扉車の風格と重厚な姿に魅了されてきた。6300系本線走行終了の惜別の念を込めて、熱心なファンの多い阪急電車の思い出を語ってみたい。

2扉クロスシートの重厚な特急車

2扉・転換クロスシートの6300系は、それまでの2800系に代わる特急車として1975年にデビュー。伝統のマルーンに加えて上部を白く塗り分けた塗装、前面ライト周りを銀色のステンレス板で飾った精悍なデザインが印象的だった。当時の特急は十三―大宮間ノンストップで、梅田(現・大阪梅田)―河原町(現・京都河原町)間47.7kmを最速38分で結び、京都―大阪間で競合する国鉄の新快速や京阪特急に対抗した。

しかし、特急の性格が京阪間ノンストップ列車から沿線利用を重視した列車に変化して停車駅が増えると、6300系の特徴だった2扉クロスシートは「弱点」となってしまった。2003年には28年ぶりの新型特急車として3扉クロスシートの9300系が投入され、6300系は2010年までに本線の特急運用から撤退。2011年に運行を開始した改造車「京とれいん」も前述の通り2022年末に運行を終了し、本線から完全に退いた。

本線を離れた6300系は4両編成化されて嵐山線に投入され、車内座席をリニューアルして今も運行中だ。特徴の1つである転換クロスシートは健在で、嵐山に向かって左側には1人掛け、右側には2人掛けのシートを配している。本線時代の2+2配列とは変わったものの、転換クロスシートの伝統を維持しているところに6300系ファンとして安堵したものだ。

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