60年連続増配も! 有望米国株を探す「3つのカギ」 米国会社四季報と四季報オンラインの二刀流

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もともと気になる銘柄がある場合は、28~86ページの索引コーナーが役に立つ。日本株の証券コードに当たるティッカーコードや、日本語・英文の社名、ブランド名から検索することができる。

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(出所)「会社四季報オンライン」米国株一覧

会社四季報オンラインの米国株一覧では上記に加えて、株主名や「EV」「半導体」といったキーワードで銘柄を絞り込める。時価総額や売上高などでの並べ替えも自由自在だ。なお、動画では気になる銘柄をライバル企業や同業種の日本企業と比較する手法も解説している。

いま注目の3テーマ&4銘柄

最後に、いま注目している3つの市場テーマと、米国会社四季報を読破して見つけた4銘柄を紹介したい。

1つ目のテーマは「連続増配」だ。配当利回りが高い銘柄は魅力的だが、減配リスクもつきもの。その点、増配を何年も続けられる銘柄は業績や財務が安定している場合が多く、リスクが比較的小さいといえる。

工場用間接資材(MRO)販売の大手で、日本のMonotaROの親会社でもあるWWグレインジャー(GWWは、利回りこそ低いものの2022年12月期まで51年連続で増配している。

歯磨き粉で有名な日用品大手のコルゲート・パルモリーブ(CLは、なんと60年連続増配。日本株では33年連続の花王が有名だが、その2倍近い長さだ。ペットフードが第2の柱に成長した。

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(出所)『米国会社四季報』2023年春夏号の329ページ

2つ目の注目テーマは、その「ペット」だ。近年はペットフードだけでなく、医薬品やビタミン剤、保険など多様な商品・サービスが次々と生まれ、高付加価値化も進んでいる。

米国会社四季報 2023年春夏号(週刊東洋経済臨時増刊)
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ゾエティス(ZTSは、製薬大手のファイザー(PFE)から分離・独立した世界トップ級の動物用医薬品メーカー。M&A効果もあって売上高・利益の成長が続いており、利回りは低いものの増配も継続している。

3つ目は「値上げ」。世界的なインフレによって多くの企業が採算悪化に苦しむ中、自社の商品やサービスを値上げしても消費者や顧客が離れない銘柄は好業績を維持している。

メキシコ料理チェーンを展開するチポトレ・メキシカン・グリル(CMGは、2020年12月期は新型コロナウイルス感染拡大の影響で減益となったものの、翌期はV字回復。値上げ効果で今2023年12月期も連続増収増益となる公算が大きい。

会社四季報オンラインの米国株一覧で「連続増配」「ペット」「値上げ」を検索した結果は、下記のリンク先で確認できる。

「連続増配」

「ペット」

「値上げ」

(当記事は「会社四季報オンライン」にも掲載しています)

中山 一貴 東洋経済 記者

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なかやま かずき / Kazuki Nakayama

趣味はTwitter(@overk0823)。1991年生まれ。東京外国語大学中国語専攻卒。在学中に北京師範大学文学部へ留学。2015年、東洋経済新報社に入社。食品・小売り業界の担当記者や『会社四季報 業界地図』編集長、『週刊東洋経済』編集部、『会社四季報』編集部、「会社四季報オンライン」編集部、『米国会社四季報』編集長などを経て2023年10月から東洋経済編集部(マーケティング担当、編集者)。「財新・東洋経済スタジオ」スタッフを兼任。

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