マクドナルド、復活の鍵握るキーマンの重責 副社長兼COOは、店舗と本部をつなげるか
人口減少・高齢化の進む日本では、コンビニエンスストアなど異業種も含めた「胃袋」の争奪戦が激しくなっている。さらに同業のケンタッキーフライドチキン(日本KFCホールディングス <9873.T>)は国産チキン、モスバーガー(モスフードサービス <8153.T>)は健康志向を前面に打ち出して差別化を図っている。5月にモスバーガーが出すライスバーガーは、使用する具材を国産にした「彩り野菜のきんぴら」だ。
マクドナルドの既存店売上高が29.3%減と大きな落ち込みが続いた3月、ケンタッキーフライドチキンの直営既存店売上高は1.7%の減少にとどまっているほか、モスバーガーは0.8%増と5カ月連続での増加となっている。
国産の原材料を使い、安心安全を前面に打ち出してくる他社に対抗していかなければならないが、グローバル経営という壁が立ちはだかる。
今回、下平COO抜擢と同時に、原田会長の後任として、ロバート・D・ラーソン氏が取締役会長に就任する人事も行われた。ラーソン氏は、16歳からマクドナルドで働いており、グローバルなマクドナルドのシステムを熟知している人物だ。
16日には「ビジネスリカバリープラン」の一環として、東日本、中日本、西日本と3つの地区に分け、マーケティング、人事、財務などの権限を委譲することを発表した。地域や店舗、つまりはひとりひとりの消費者に寄り添った経営ができるか―――。
地域や店舗に根差した活動「リトルM」を機能させることが、下平COOの大きな仕事のひとつになる。下平COOが担う店舗運営と言うローカルと、ラーソン氏やカサノバ氏が進めるグローバル基準とがうまくかみ合うかどうかが、マクドナルド再生の重要なポイントになりそうだ。
(清水律子 編集:田巻一彦)
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