カワサキ「ニンジャZX-4RR」型破りに高性能な訳 ひさびさの400cc・4気筒、700ccバイクを凌駕
つまり、このモデルは、前述のとおり、250ccをベースとする軽量・コンパクトな車体に、ハイパワーな400ccエンジンを搭載することで、俊敏な走りを実現することが期待できるのだ。ちなみにベースとなったニンジャZX-25Rが搭載する249cc・水冷4気筒エンジンは、現行のSEで最高出力48ps/15500rpm(ラムエア加圧時49ps)。400cc版となるこのモデルは、1.6倍以上のパワーを発揮することになる。しかもニンジャZX-4RRの車両重量は188kg。ニンジャZX-25R SEの車両重量184kgと比べ、4kgしか重くなっていない。軽い車体とより増大したパワーによって、胸がすくような加速感が味わえることが予想できる。
しかも650ccや700ccなど、より排気量が大きい2気筒エンジン搭載モデルのスペックまで凌駕する。例えば、ヤマハの700ccスーパースポーツ「YZF-R7」は、最高出力が73ps/8750rpmで、車両重量は188kg。重さは同じだが、排気量が小さいニンジャZX-4RRのほうが、よりハイパワーだ。しかも250cc並みの小柄な車体は、コーナーなどでの倒し込みや旋回もしやすいことがうかがえる。より排気量が大きなバイクを圧倒する高性能さを予感させることも、このバイクが大きな注目を集めている理由といえよう。
ニンジャZX-4RRの装備
ニンジャZX-4RRは、最新の電子制御システムも満載だ。路面状況などに応じて後輪の滑りなどを抑制するトラクションコントロールシステム「KTRC(カワサキ トラクション コントロール)」を搭載。また、出力特性を変えられるパワーモードも「スポーツ」「ロード」「レイン」のほかに、好みに応じた設定ができる「ライダー(マニュアル)」モードも用意し、走行状況やライダーの走行スタイルなどに応じたセッティングを可能とする。さらにクラッチ操作なしでシフトアップとダウンができる「双方向KQS(カワサキ・クイック・シフター)」も標準装備。スポーツ走行やツーリングなど、さまざまなシーンでライダーの操作を軽減し、ラインディングに集中できる数々のサポート機能を持つ。
サスペンションには、フロントにショーワ製SFF-BP倒立フォークを採用。これは、片側フォークに減衰機構とスプリング、もう片側はスプリングのみを装備したサスペンションで、摺動抵抗の軽減による滑らかな動きと、車体の軽量化に貢献する。また、リアサスペンションは、シリーズ最上級モデルのニンジャZX-10Rにも採用されているショーワ製BFRC-liteリアショックを採用。WSBKのレーシングマシンで培った技術を投入したこのサスペンションは、減衰機構を別体の小型ユニットに搭載したもので、高い路面追従性を持つことが特徴だ。これにより、街乗りから郊外のワインディング、サーキットのスポーツ走行まで、幅広いシーンで安定した走りが楽しめる。
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