カワサキ「ニンジャZX-4RR」型破りに高性能な訳 ひさびさの400cc・4気筒、700ccバイクを凌駕
しかも400ccクラスとしては、4気筒エンジン搭載車はひさびさの登場だ。2000年代以前の400ccバイクは、昔の自動二輪中型限定免許(いわゆる中免)や、今の普通二輪免許で乗ることができる最大排気量であることもあり、高性能なバイクを中心に高い人気を誇っていた。とくにスーパースポーツの前身、1980年代から1990年代半ば頃にブームとなった「レーサーレプリカ」では、当時のレース人気も後押しし、フルカウルに4気筒エンジンを搭載したモデルが目白押しだった。ホンダが「CBR400RR」や「RVF」、ヤマハは「FZR400」、スズキは「GSX-R400」などをリリース。カワサキでも「ZXR400」を発売し、いずれも大ヒットを記録した。
その後、レーサーレプリカのブームが終焉すると、フルカウルの4気筒マシンは徐々に減っていき、絶滅する。4気筒エンジンの400ccバイクでは、ホンダのネイキッドモデル「CB400スーパーフォア/スーパーボルドール」が唯一残っていたが、年々きびしくなる排気ガス規制などの影響で2022年に生産終了。ついに、同クラスに4気筒バイクはなくなってしまっていた。
ニンジャZX-4RRの車体やエンジンのスペック
そんな背景の中で発表されたのがニンジャZX-4RRだ。しかもカワサキは、今回の日本初公開の前、2023年2月に欧米でこのモデルを先行発表している。従来、400ccのバイクは、日本の免許制度に合わせた「日本専売車」といったポジションで、同様のミドルクラスでグローバル販売するのは、600ccや700ccといった排気量のモデルがほとんどだった。つまり、400ccの世界戦略車というのも異例なのだといえる。
ニンジャZX-4RRについては、まだ国内仕様の詳細が発表されていないため、欧米モデルの仕様を例に主な特徴を紹介しよう。まず、車体には、250ccスーパースポーツの「ニンジャZX-25R」をベースとした新設計シャーシを採用。カワサキ独自の軽量・コンパクトなトレリスフレームは、エンジンをストレスメンバーとしても利用することで高い車体剛性を確保し、優れた安定性と軽量化に貢献する。
最高出力77psを発揮するエンジンも新設計。399cc・水冷並列4気筒を搭載する。走行風を採り入れることでパワーを増大させるラムエアシステムも採用し、パワーを最大80psまでアップさせることが可能だ。
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