【多汗症】気になる「脇汗」に有効な塗り薬が登場 日常生活で役立つ「汗ケア」、制汗剤は有効か?

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①塩化アルミニウム液外用療法

汗腺をふさいで汗を抑える治療法で、以前からよく行われている。保険適用ではないため、自由診療の院内製剤として、クリームや軟膏が処方されている。

使い方は寝る前1回、薬を塗るだけで、効果が出にくいときは塗った手にゴム手袋をする。刺激が強いため、朝起きたらせっけんで手をよく洗い、保湿剤などでケアをする。2~3週間で効果が現れてくるので、そうしたら少しずつ塗る頻度を減らして続けていく。

「塩化アルミニウム液外用療法の効果を調べた研究では、有効性が認められました」(横関医師)

②水道水イオントフォレーシス療法

水道水を入れたトレイに症状が出ている手、または足をひたし、5~10ミリアンペア程度の電流を約15分間流す。通電により発生する水素イオンが汗の出口をブロックする。週1回で約2カ月間続けていくと、徐々に発汗が治まっていく。

水道水イオントフォレーシス療法
水道水イオントフォレーシス療法(写真:横関医師提供)

脇の多汗症の治療法

次に、脇の多汗症の治療にはどんなものがあるのか聞いた。脇は下着やシャツに汗じみができ、1日に何度も着替える必要があるため、制服やユニフォームを着用する方は非常に困っているという。

「脇の多汗症は最近、多くの治療法が出てきました。塩化アルミニウム外用療法のほか、発汗を誘発するアセチルコリンの働きを抑える(抗コリン作用)薬を使った外用療法、ボツリヌス毒素療法、抗コリン薬内服療法などです。これにより、ご自身に合ったものを選択できるようになりました」(横関医師)

① ボツリヌス毒素療法

脇の皮膚の浅い部分に15カ所ほどボツリヌス毒素を注射する。汗腺にあるアセチルコリンの受容体に結合して、アセチルコリンの働きをブロックする。有効性が高く、約9割の人に発汗量の低下がみられた。保険適用の治療法だ。

②電磁波療法

マイクロ波と呼ばれる電磁波で汗腺を破壊する。健康保険が適用されていない。

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