地価急騰の木更津、移住者引き寄せる納得の理由 都心も通勤圏、自然環境と商業施設が充実

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転入者数から転出者数を差し引いた「転入超過」を見ても、2019年から昨年まで、年間500~900人の転入超過となっている。その結果、人口も少しずつではあるが増加傾向にある。

最新の2023年3月は13万6231人(日本人13万3352人)。コロナ前の2019年3月は13万5261人(日本人13万2906人)だったから、日本人の人口は446人増えている。

金田西地区界隈では住宅の新築現場が何カ所もあった。木更津市の新設住宅着工件数を調べると、2021年は1317件だったのが、2022年は1532件と215件、16.3%増となっている。流山市や印西市など人気住宅地でも着工件数を減らしているなかで、着工件数は千葉県で9位、増加件数は6位と健闘している。

木更津はなぜ子育て世代を惹きつけているのか。現地取材と調査を踏まえ、5つの魅力を指摘しておきたい。

①アクアライン通勤の快適さ

東京駅までわずか40分でバスなので必ず座れる。都心の降車地付近で多少時間を要することはあるが、大きな遅れはほぼないとのこと。しかも通勤時間帯の本数が充実している。平日の7時台には何と17便もある。ほぼ3分に1便の割合だ。バスターミナル周辺の駐車場を月極で借りてバスで「アクアライン通勤」している人も多いという。

内房線の木更津駅から東京駅だと、朝の通勤時間帯では1時間10分程度かかる。通勤定期代はバスが1カ月5万400円、鉄道が3万5600円と、バスのほうが圧倒的に高いが会社負担のビジネスマンは問題ない。ただ、高速バスの利用負担を認めていない会社もあるとのことで、そこは課題だ。

木更津を地盤とした浜田幸一元衆院予算委員長(故人)が力を注いだアクアラインが開通して約25年。いま、その存在感は高まっている。

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