「儲かる投資家」とそうでもない人の決定的な差 お金を増やしている人は買うタイミングが違う

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最悪の材料が出たタイミングこそ、実は買い時なのです。ですが、それを目先の暴落チャートだけで見ていたら絶対に気づきません。

以上のような観点で、人々がよくないと感じている銘柄でも「これ以上悪くなりようがない」悪材料が出たり、会社や事業としては価値が変わっていない状態であれば、長期投資のよいチャンスになる可能性が高いです。ぜひ人とは違う道を歩み、天邪鬼な投資家であってください。

すぐ上昇することを期待しない」のも大事

買った後に「すぐ上昇してほしい」という願望は捨ててください。

何年かに一度起こるような大暴落を除いて、私は常に買った後に株価がしばらく停滞することを織り込んで投資しています。どんな投資対象を買う時にも、この方針は一貫しているのです。

特に暴落期に株を買えたとしても、後から見ればよい買い時だったと実感しますが、その当時はなかなか株価が上がりません。ヤキモキすると思います。

たいてい暴落した直後は「さらに悪くなるのでは?」という悪材料・懸念が残っているので、いつまた下げ始めるのではないかと…、千鳥足のように株価は推移します。

例えば、2020年の新型コロナウイルスで暴落した日経平均株価。3月後半に2日続けて大きなローソク足の陽線(1日の終値がその日の始値よりも高かった時)が出て急上昇してから結果として上がっていますが、5月末に加速するまでは、下値を切り上げつつも上昇と下落を日々繰り返しながら、徐々に推移しているのがわかると思います。

日経平均株価の推移(引用:株探)

この時は3月の大暴落後、さらに近々、再び大きく暴落する「2番底」があるという観測が支配していて、市場心理は最悪でした。私は3月の大底付近で株を買っていましたので結果として有利なポイントで買えていますが、当時の私もご多分に漏れず2番底の恐怖感と戦いながらの投資でした。この状況でさらなる暴落に怯えて株を手放すと、チャンスを取り逃がしてしまうのはよくわかりますよね。

全ての銘柄にいえるわけではないですが、エントリー後すぐの上昇を期待すると、なかなか上がらずに停滞し、恐怖感やマンネリ化によってせっかくのチャンスポジションを手放してしまうことが起こります。これは短期トレードでも変わりません。

この本を手に取っているあなたも、早めに売却したけどその後大きく上がり、悔しい思いをした銘柄はありませんでしたか? 投資では、一時発生するマイナスを受け入れられないと、大きな利益を得ることはできないです。

特段の理由がない限り、長期的な成長が見込める銘柄を暴落期に買ったらすぐに上昇することを期待してはいけません。目先の変動は無視して、上昇期が来るのを待つ胆力が必須です。

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