近年でも米国株の上昇が顕著でした。書店には米国株投資の本が並びSNSでもS&P500の積み立てで資産形成するのがブームとなりました。
2021年より前に米国株を買っていた方は覚えていると思いますが、GAFAMと呼ばれる巨大IT企業がアメリカ市場の時価総額の多くを占め、株価はさらに上がり、万能神のように思われていました。
ですが、2022年年初からの金融政策や相場環境の変化によって大きく下落。GAFAMだけでなく、業績赤字でも成長期待でグロース株を買っていた投資家の中には、マイナス80〜90%といった巨額の含み損を抱えた方も。万能と思われがちの米国株も2000年頭からのITバブル崩壊、2008年のリーマンショック、そして2022年の暴落と、定期的にブームになっては暴落を繰り返しています。
このように大勢の人がよいと認知した頃には、買い手も少なくなり、時間も経ってマーケット環境が変わり目にあります。
天邪鬼のごとく買いに行くべきタイミング
先ほどのアメリカのハイテク株とは逆にあまり注目されず、中には「終わった」といわれる銘柄が買い時になる可能性があります。
例えば、原油メジャーのエクソンモービル。2020年の新型コロナウイルスの時には、人の往来が止まり、原油価格が市場初のマイナスになりました。その後、エクソンモービルの株価も大暴落。事業自体が成り立たないという状況です。
40年近く増配を続ける高配当株でしたので、果たして配当もどうなるのかという状況でした。ただ、私はこの下落に乗じて株価30ドル近辺のほぼ底値で買っています。この時はしばらく株価が動きませんでしたし、多少の恐怖はありました。
一方で移動需要が消滅しても、原油は電力・化学製品など多数の分野で使われること。そしてコロナが仮に長引いたとしても、いずれ人の往来は再開せざるを得ないと予測されること。原油の需要自体も少なくともこの先10年は上昇傾向だったこと。以上から、いつかは戻るというプランをもって買いました。
この当時、エクソンモービルなどのエネルギー株を買うのはよくないという論調が目立ちました。テスラなど電気自動車の株価が伸びていたのもあり、オワコン扱いだったのです。
実際、私もハイテク株が上昇しているのを見て、釣られそうになったりエネルギー株の将来に対して悲観的に考えたりする場面もありましたが、人々が注目していない安いタイミングで買えたということです。
結果として、2年後にはインフレ進行もあり30ドルから110ドルまで上昇。底値から3倍以上の利益が得られました。途中で保有株の半数を利益確定してしまいましたが、今もまだ保有しています。配当も継続して出ましたので、30ドル近辺で買うと配当利回りは10%と高いです。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら