「ノースフェイス」企業がオンライン接客重視の訳 絶好調「ゴールドウイン」に聞いたEC成功の秘訣

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オンライン接客
「ザ・ノース・フェイス」の知床の店舗スタッフによるコーディネート投稿。ここから顧客の購買につなげるのが“オンライン接客”だ(写真:右は『リアル店舗を救うのは誰か』より、左2枚は尾形文繁撮影)
コロナ禍をきっかけに急加速したデジタルシフト。各社ともにECとオンライン接客の強化に一気に動いた。しかしそれだけでは、リアル店舗はECにどんどん顧客や売り上げが奪われ、売り上げ減に対して効率化の名の下で店舗スタッフが削減されたり、不採算店が閉鎖されたりするなど、苦しい状況に置かれていってしまう。
これからの小売業の存続をかけた、ECとリアル店舗の融合に必要なことは何なのか。オンライン接客の支援を展開し、2022年の「すごいベンチャー100」に選出されたバニッシュ・スタンダードの代表取締役・小野里寧晃氏が、「ザ・ノース・フェイス」などの人気ブランドを擁するスポーツアパレルメーカーのゴールドウインを成功事例に挙げながら解説する。
本記事は、『リアル店舗を救うのは誰か』より一部抜粋、編集してお届けします。

自社ECの成長に注力するゴールドウイン

ECとリアル店舗を健全に伸ばしていくために、今、各社が「OMO(オンラインとオフラインの融合)」を進めている。OMOは、Online Merges with Offlineの略で、お客さまが自身の都合や利便性、タイミングによって、ECとリアル店舗を自由に選択して快適な買い物ができる品ぞろえやサービスを提案し、最高、最適な顧客体験を実現しようというもの。

これまでのO2Oやオムニチャネルは、どちらかというと 企業起点のキーワードだったが、OMOは「顧客起点」であることが大きな違いだ。すでに、リアル店舗とECを両方活用する両購買顧客は、そのどちらかだけで買い物をする片購買顧客に比べて、年間購入金額が約3倍に上るというデータもある。

お客さまとの接点を増やし、LTV(ライフタイムバリュー、顧客生涯価値)を向上させることが、現代の企業に求められていることだ。

それには、リアル店舗でもECでも、お客さまに最適な体験を届ける必要がある。ECが成長してきたとはいえ、たいていの企業やブランドの売り上げに占めるECの割合・EC化率はコロナ禍前で10%程度、現在でも20~30%程度にとどまっている。

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