「ペンギン池落下」日テレ謝罪がスッキリしない訳 危機対応より感情を優先させた謝罪は失敗する

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また社長会見と同日に放送された「スッキリ」では、番組冒頭に加藤さんと日本テレビの森圭介アナウンサー、岩田絵里奈アナウンサーが謝罪と説明を行いました。

加藤さんは、「今回の件については経緯をまず説明したいと思います」と切り出し、次のようにコメントしました。

『池に落ちてもいいですか、こういうロケだったらこういうこともあるんですよ』と説明していた。那須どうぶつ王国の方からは、動物に危害が加わらなければ、池に落ちても大丈夫ですよという旨のことを聞いていた。動物が池に入っていなければいいですよ、というニュアンスですよね。

当日の打ち合わせで、僕自身、しっかりスタッフと打ち合わせすることを怠ってしまった。そこに関しては本当に反省しなくてはいけない部分だと思っています。しっかりとスタッフと話をしていれば、僕はもうちょっとできたのかなと思うんだけれど、僕自身も『池に落ちてもいいんだ』という部分だけで進んでしまった。

春日くんにもフリという形で追い込んでしまったというか、春日くんが落ちなきゃいけない状況にMCとしての僕が追い込んでしまった部分があると思います。そこも本当に反省しなくてはいけない部分だと思っています。

(中略)那須どうぶつ王国の方たちの快くOKしてくれた気持ちを汲めずに不快な思いをさせてしまったというか、担当者の方にも迷惑がかかっていると思います。

実際に『動物に危害が加わらなければ入ってもいいですよ』と言っていたのに、そこで危ない形になってしまった。それは視聴者の皆さんが見ていて『危ない!』と思ったり、不快に思ったということが実際にあったと思います。そこに関しても僕も謝罪しなきゃいけないし、僕自身も番組のMCとして配慮がまったく足りなかったんだなと思います。それに関しては、番組をご覧になった皆さん、不快に思われた方々、本当に申し訳ありませんでした

那須どうぶつ王国
問題の放送があった後、那須どうぶつ王国が公開した声明文(画像は公式Twitterより)

謝罪において「言い訳」はなぜダメなのか

このように話し終えると、加藤さんは深く頭を下げましたが、アナウンサーが謝罪をした冒頭と最後の部分では他2人が頭を下げる中、1人だけお辞儀をしていないように見えるなど、その態度がまったく申し訳なさそうに見えないと批判を浴びてしまいました。

何より謝罪コメントの内容が、「そこに関しては反省」というワードの多用や、「先方に事前に伝えていた」というニュアンスを含めるなど、言い訳にも聞こえる経緯説明に終始していることで、視聴者の感情を逆撫でしてしまいました。

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