日本人が知らない「世界を変えるアイデア」5基準 規模拡大可能と予想できるアイデアの特徴とは

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とはいえ、ほとんどの人や組織は、データが手元に来るのをただ待っている。何であれすでに存在するデータを利用しているだけだ。

世界を自分のラボとしてフィールド実験を行ってきたわたしとしては、自ら外に出て、データを収集することを好む。

教育委員会やフォーチュン500企業、政府、非営利団体、スタートアップ企業らと協力して、データの背後の「なぜ」を探ろうとする。

データを集めて世界を変える

・一定の条件下で寄付をする人がいる一方で、寄付しない人がいるのはなぜか。

・貧困地区でうまくいっている学校と、そうでない学校があるのはなぜか。

・規模を拡大してもうまくいくアイデアがある一方で、当初は有望に思えたアイデアが失敗するのはなぜか。

アセモグル/レイブソン/リスト 入門経済学
『アセモグル/レイブソン/リスト 入門経済学』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら。楽天サイトの紙版はこちら、電子版はこちら

そうしたことが起きる理由を理解するためのデータを集めることによって、世界を変えることができる。

一連の戦略は、ビッグデータと、わたしの研究とキャリアを決定づけた経済学の考え方が結びついて生まれたものだ。

本書は、政策立案者に対して、エビデンス・ベースの政策から政策ベースのエビデンスに関心を移すよう求める。

起業家にとっては、本書が示す一連の科学的な原則は、どのアイデアがスケール化で成功する可能性が高いかについて見極め、意思決定するうえで指針となるだろう。

人は誰しも他者と共有したくなるような知識や知恵を生活のなかで獲得しているものだ。本書は、わたしが経済学者として30年間に獲得した知見を、できるだけ多くの人と共有するささやかな試みだと思ってもらえばいい。

ジョン・A・リスト シカゴ大学経済学部ケネス・C・グリフィン特別功労教授

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John A. List

シカゴ大学経済学部ケネス・C・グリフィン特別功労教授。大統領経済諮問委員会(CEA)でシニア・エコノミストを務めた。ケネス・ガルブレイス賞をはじめ、数々の栄誉ある賞に輝く。その業績は以下の各媒体で紹介されている。ニューヨーク・タイムズ、エコノミスト、ハーバード・ビジネス・レビュー、フォーチュン、NPR(米国公共ラジオ放送)、スレート、NBC、ブルームバーグ、ワシントンポスト等。250本以上の査読済み学術論文、数点の学術書を執筆。ウリ・ニーズィーとの共著で世界的ベストセラーの『その問題、経済学で解決できます。』(望月衛訳、東洋経済新報社)がある。

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