とはいえ、ほとんどの人や組織は、データが手元に来るのをただ待っている。何であれすでに存在するデータを利用しているだけだ。
世界を自分のラボとしてフィールド実験を行ってきたわたしとしては、自ら外に出て、データを収集することを好む。
教育委員会やフォーチュン500企業、政府、非営利団体、スタートアップ企業らと協力して、データの背後の「なぜ」を探ろうとする。
データを集めて世界を変える
・一定の条件下で寄付をする人がいる一方で、寄付しない人がいるのはなぜか。
・貧困地区でうまくいっている学校と、そうでない学校があるのはなぜか。
・規模を拡大してもうまくいくアイデアがある一方で、当初は有望に思えたアイデアが失敗するのはなぜか。
そうしたことが起きる理由を理解するためのデータを集めることによって、世界を変えることができる。
一連の戦略は、ビッグデータと、わたしの研究とキャリアを決定づけた経済学の考え方が結びついて生まれたものだ。
本書は、政策立案者に対して、エビデンス・ベースの政策から政策ベースのエビデンスに関心を移すよう求める。
起業家にとっては、本書が示す一連の科学的な原則は、どのアイデアがスケール化で成功する可能性が高いかについて見極め、意思決定するうえで指針となるだろう。
人は誰しも他者と共有したくなるような知識や知恵を生活のなかで獲得しているものだ。本書は、わたしが経済学者として30年間に獲得した知見を、できるだけ多くの人と共有するささやかな試みだと思ってもらえばいい。
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