わたしが示すスケーリングに関するエビデンスに基づく知見は、21世紀に全員が一丸で切り拓いている新たな領域の一部であり、調査の質問、事業実験、世界の精鋭が解決を目指している喫緊の課題が共鳴した成果と言える。
さらに、これから読んでいただくボルテージ(熱気)の獲得と喪失に関する教訓は、全人類が生きている歴史的瞬間、ビッグデータの時代を反映した成果でもある。
こうしたデータをどう集めて使うかはわれわれ次第だが、はっきりしていることが1つある。
事実上、あらゆるタイプの人間行動について収集できる膨大な量のデータは、それを分析するコンピューターの性能と相まって、なんらかの取り組みのスケールアップを目指す人たちに、貴重な知見をもたらしてくれるのだ。
ビッグデータは一大チャンス
ビッグデータを深掘りすると不協和音が生まれると考える人が多いのは、理解できなくはない。プライバシーを侵害されたように感じる。
特に政府や企業が市民や顧客のデータを使って何をするのか、データの利用目的については深刻な懸念がある。
一方で、ビッグデータというイノベーションは、人類にとって一大チャンスでもある。
たとえば、世界中の人々の死因のデータに基づく知見によって、公衆衛生上の政策介入をスケールアップすることができ、それにより数百万と言わず数十億の人々の健康が増進し、寿命が延びている。
環境関連では、家庭や企業レベルで省エネの取り組みのスケールアップにビッグデータが役立てられている。
ビッグデータは寝室にまで及ぶ。たとえば、アメリカ人女性の約10%が不妊に悩んでいるが、生物学上、妊娠に最適な時期を知るのに最も効果的な方法は、排卵日を知ることだ。
現在ではわざわざ費用をかけて不妊治療に通わなくても、ビッグデータを活用して、決定的に重要な懐妊の兆候を把握し、必要なデータを女性に提供することで妊娠を手助けしている。
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