「新人が使えない」とぶった切る人の致命的ミス 要領のつかめない人に上司がすべきこととは?

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認識のズレが生じてしまう前に「ズレ取り教育」をしてみませんか(写真:den-sen/PIXTA)

3月や4月は、新しいメンバーが組織に入ってくる時期だ。新しいメンバーが入ってくることは、とても喜ばしい。

しかしながら、新メンバーが組織に加わると、コミュニケーションや作業の調整など、厄介な問題が生じることがある。

当然だ。最初はお互いのことがよくわからず、いろいろと「認識のズレ」が生じてしまうからだ。言いたくもないが、ついつい上司は、次のようなことを口にしてしまうこともあるだろう。

「できる限り早くやってほしいと言ったよね?」「このやり方、誰に教えてもらったの? わからないのなら聞いてよ」「全然イメージと違うんだけど。もう一回やりなおして」――。

このように、まだ要領がつかめない新しいメンバーにイラつくのはNGだ。そこで私は、イライラせずにお互いの「認識のズレ」を埋める「ズレ取り教育」をすることを提案したい。

「ズレ取り」とは?

「ズレ取り」とは、生産工程で使われるムダ取りから着想したネーミングだ。

「ムダ取り」とは、価値を生まない動作を排除するための活動を指す。いっぽう「ズレ取り」とは、組織内に生じる認識のズレを排除する活動のこと。

受け入れる側もしっかり準備をする必要があるが、最初から完璧に認識合わせすることなどできない。特に新社会人に対してはそうだ。何もかもが新しいことだからだ。

そこで、新しいメンバーには、仕事の依頼を受けるたびに「ズレ取り」の習慣を身につけてもらう。

特に、多様性が重要視される現代においては、異なるバックグラウンドや価値観を持った人が1つのチームとして働くことが多くなっている。チームのエンゲージメントを高めるためにも、お互いの「認識のズレ」をなくし、早期に信頼関係を築くことが不可欠だ。

拙著『キミが信頼されないのは話が「ズレてる」だけなんだ』でも詳しく解説しているが、本稿では、春に新メンバーを迎えるにあたって認識のズレを取り除く「ズレ取り教育」について紹介する。

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