くしくもこの発表があった3月13日から香港現地で29回目の開催を数えるアジア最大級の映画とテレビのマーケット「香港フィルマート」が始まり、会場には香港スターも勢ぞろいしていました。そこにはジャッキー・チェンの姿もあり、ほかニコラス・ツェーやトニー・レオン、アンディ・ラウなど香港を代表する俳優陣が集まる場が作られたのです。
香港最大手の映画会社エンペラーモーションピクチャーズが開催した記者会見では彼らが出演する「香港国際警察2」や「ザ・ゴールドフィンガー」などの最新作が次々と発表され、香港エンタメが今、盛り返していることを伝えていこうと、そんな空気感さえありました。
トップガン興収に並ぶ香港ローカル作品
というのも、ここ数年、コロナの影響を受けて、香港エンタメ界を長年にわたり支えてきた映画産業は大きく落ち込み、香港フィルマートのような地元で開催される国際的なマーケットもオンラインに切り替えられていました。
映画館営業に関しては、2020年から2022年にかけて267日間もの期間、映画館の明かりは消え、防疫措置の緩和で2022年の途中からようやく座席数を制限する条件で営業が復活し、完全解除されたのは12月22日と、今からほんの3カ月前まで厳しい状況が続いていたのです。
そんななかでも、2022年後半から香港の映画興行は急回復していることが関係者から報告されています。もともと映画好き人口が多いといわれる香港ですが、苦しいときにある映画産業の状況を知ってか、映画館に足を運ぶ数が軒並み増えていったというのです。
香港在住の記者が報じたアメリカ最大手エンターテインメント誌の『ハリウッド・リポーター』によると、2004年以来初めて4本の香港ローカル映画が2022年の興行収入トップ10にランクインし、さらに香港コメディ俳優のダヨ・ウォン主演映画「A Guilty Conscience」はハリウッドの超大作「トップガン マーヴェリック」や「アバター:ザ・ウェイ・オブ・ウォーター」が達成した1億香港ドルのマイルストーンを地元映画として初めて突破したことがわかりました。
香港フィルマートの会場でも地元香港映画が元気を取り戻していることが随所で語られ、主催する香港貿易発展局のパトリック・ラウ副事務局長は「今年に入ってパンデミックから解放されたことを実感しています。映像産業は活気を取り戻し、非常に明るい状態です。だからこそ、マーケットの開催を通じて促進していくべきときにあります」と強調していました。
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