「シン・仮面ライダー」情報過少でもヒットの理由 豪華俳優陣が出演するも「顔」に頼らない作り方
キャストも内容も、公開したら自然とネットでネタバレしてしまうものながら、公式発表をあえて遅らせるという徹底ぶりで、満を持して明かされたのは――竹野内豊、斎藤工、大森南朋、長澤まさみ、本郷奏多、松坂桃李、市川実日子、仲村トオル、安田顕、上杉柊平……と豪華なメンツであった。
有名俳優の“顔”を売りにしない
なかにはエンドクレジットを見て、え、出てた? どこに? というような俳優もいるくらいの徹底的な作品至上主義。
「カメオ出演」という用語のように、知った顔の俳優が一瞬出てきて、観客が誰かわかることが前提で、そこに楽しみを感じるような、有名俳優の“顔”を売りにした演出ではなく、俳優たちはあくまでも作品に奉仕している。皆、ひたすら役に徹している印象であることが、『シン・仮面ライダー』の良さのひとつであろう。
例えば、長澤まさみ。パリピみたいな雰囲気(長澤が演じたドラマ『コンフィデンスマンJP』のダー子をもっとはっちゃけさせたような感じ)で登場する。ちょっとだけ顔の出たマスク姿ではあるが、マスクはマスク。そのため長澤まさみと認識できない観客もいるんじゃないかと思う。
そのほか、大森南朋や本郷奏多、松坂桃李もなかなかの作品へのご奉仕っぷりだ。すでに発表され試写会にも登壇している手塚とおるも、しっかり特殊メイクである。
基本、SHOCKERを演じている俳優たちは、ハチオーグ役の西野七瀬以外は、顔がはっきり出ない。声を聞いてわかる人もいれば、エンドクレジットを見るまでわからない人もいる。気づけるか気づけないか、それも映画を見る楽しみと言っていい。例えるなら、特典のカードに誰のカードが入っているかお楽しみな感じや、ライダースナックにどんなカードが入っているか、開けてみないとわからないワクワク感と同じような楽しさである。
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