憂鬱な人は「やる気が出る仕組み」をわかってない 臨床心理士が説く「モチベーションを育てる」方法

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この記事では、1つ目の「モチベーションとエネルギーを育てる方法」を解説する。

<モチベーションの育て方>

モチベーションは単に、何かをする理由ではない。わたしたちはしばしば、変動する熱意や意欲をモチベーションと呼ぶ。あるものはそれを育み、あるものはそれをしぼませる。わたしたちは何をしたときに、モチベーションやエネルギーを感じるだろうか?

ここではモチベーションを上げるものを、いくつか紹介しよう。

通常の運動量を少しでも超える運動の効能

<体を動かす>

モチベーションは、脳の特定の場所から湧き上がるわけではなく、生まれつきの性格に備わっているものでもない。また、自分を動かすために欠かせないツールでもない。多くの場合、モチベーションは体を動かすことによって湧き上がってくる。

しかし、運動しようというモチベーションが湧かないときは、どうすればいいだろう? 運動を日常生活の一部として持続させるカギは、モチベーションが低くても始められる運動を見つけることだ。わずかな運動でも何もしないよりましで、通常の運動量を少しでも超える運動は意志の力を大いに高めることが、研究によってわかっている(Barton & Pretty, 2010)。

気楽にできて、喜びを感じられる運動を見つけよう。退屈な義務ではなく、貴重な時間を過ごしていると感じられるものを探そう。加えて、友達との付き合いや、いい音楽など、楽しみに思える要素を日常に取り込もう。

適度なものであっても運動をすれば、お返しにモチベーションが得られる。動きたくないときに運動するのはおっくうだろうが、体を動かすというシンプルな行為が、その日の残りの時間の「めんどくさい」という気分に与える影響は計り知れない。運動をするだけで、勝利を手にすることができるのだ。

<目標日記をつける>

セラピストはしばしばクライアントと共に目標を設定し、その達成を支援する。クライアントの中には、セラピーを受けるとモチベーションがかなり上がる、と言う人がいるが、その理由の1つは、セラピーによって自分の目標を思い出すことができるからだろう。目標を見失ったら、勢いはたちまち失われる。

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