早慶MARCH、女性比率3~5割にグンと伸びた背景 国際系学部では6割超、一方東大は2割程度

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1998年、明治大に新校舎リバティタワーが誕生した。女子学生を意識したアメニティーが整備されており、なかでもトイレには力を入れている。個室トイレは1階に約30個、そのほか各階に約6個が備わっている。他大学が平均3、4個なのに比べると多さが際立つ。洗面台数がたくさんあるので混雑しない。

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そして特筆すべきは1階に設置されたパウダールーム(化粧室)である。女子学生数を押し上げた要因はアメニティーにあるのかといえば、こちらも証明はむずかしい。ただ、オープンキャンパス見学で他大学、とくに女子大とくらべて、女性用施設に遜色がないところは、女子高校生のハートをつかんだといえる。

2022年明治大合格者数高校別の上位校で実績が高い女子校は、洗足学園144人、頌栄女子学院137人、鷗友学園女子118人、豊島岡女子学園111人、浦和第一女子110人、女子学院101人、フェリス女学院91人(以上、大学通信調べ)となっている。

早稲田大の学生数の推移を男女別、合計でみると、驚くべきことがわかる。2002年の女子は1万2719人、全学合計は4万4576人。2022年になると女子は1万4967人、全学合計は3万8658人。20年で学生数は約6000人減ったのに、女子は約2000人も増えている。

入学者で優秀な女子が増えたことは明らかだが、在学生で成績不振(単位未取得)による退学者は男子が多く女子が少ないことが想像できる。早慶MARCHいずれも1990年代に比べれば成績、出席が厳しく問われるようになったことが大きい。

東大に入れても早慶へ

東京大を受験すれば合格できるレベルでありながら、早慶に入学する女子が少数だが見られる。東京大にさほど魅力を感じず、早々と早慶を志望する、なかには中学受験で早慶の附属、系列校に女子が進んでしまうケースだ。

これらはエビデンスがあるわけではないが、進学校、予備校、そして早慶関係者は、「東京大に入学してもおかしくない女子」は必ずいるという。こう考えると、東京大の女子学生比率が2割そこそこなことに納得がいく。東京大より早慶を選んだといっても、合理性に欠ける話ではない。

小林 哲夫 教育ジャーナリスト

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こばやし てつお / Tetsuo Kobayashi

1960年生まれ。教育、社会運動問題を執筆。1994年から「大学ランキング」の編集者。著書に『神童は大人になってどうなったのか』『早慶MARCH』『ニッポンの大学』『筑駒の研究』『東大合格高校盛衰史』『高校紛争1969-1970』など。

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