早慶MARCH、女性比率3~5割にグンと伸びた背景 国際系学部では6割超、一方東大は2割程度
全般的に女子学生は増えたが、学科によってはバラツキが見られる。建築、化学、生物系は3割を超えるところがある。
数学や物理は1から2割、機械、電気系は1桁台のところがある。明治大理工学部機械工学科6.4%、建築学科30.5%、数学科14.1%、物理学科13.0%、応用化学科30.9%。法政大理工学部機械工学科11.8%、電気電子工学科7.0%、デザイン工学部建築学科34.8%となっている。
明治大理工学部応用化学科で光触媒を扱った研究に取り組む女子学生は、より効果的に水素を取り出し、活性化させるためにどのようにしたらよいかというテーマに挑む。
「石油や化石燃料など温暖化について世界的に問題となっていますが、光触媒の水の分解の活性が上がれば、将来的に水素をクリーンに製造するようなものができます。地球環境の改善に役立つ研究に魅力を感じています」(「明治大学 理系女子のキラキラキャンパスライフをのぞいてみよう」明治大学男女共同参画推進センター)
女性学長の発信力
2022年4月、法政大の前総長・田中優子さんが母校である清泉女学院中学高校(神奈川県)で講演を行った。テーマは「大学はどういうところか」「女性が自由を生き抜くために」である。同校はその様子を次のように紹介した。
「法政大学憲章「自由を生き抜く実践知」について、ご自身の学びの経験をもとにお話ししてくださいました。また、現代社会において女性が「自由を生きていく」ためにどのような視点をもつとよいかを、わかりやすく生徒に伝えてくださいました。講演会の後には、有志の生徒と座談会が開かれ、夢を語る生徒たちに正面から向き合ってくださいました」(清泉女学院ウェブサイト 4月25日)
田中さんは法政大総長を2014年から2020年まで務めた。この間、多くのメディアに登場してさまざまな発言を行っている。
特定秘密保護法、安保関連法案、日本学術会議任命拒否問題に異を唱えるなどリベラルな考え方を打ち出してきた。それが、女子高校生および保護者(母親)に受け入れられた、つまり田中優子人気で女子の進学者が増えたのではないかと言われている。
これを証明する手立てはないが、田中さんは総長時代、女子高校生に向けて女性のさまざまな生き方を示し、法政大が女性のキャリア形成につながる教育を行っていることをアピールしてきたのは確かだ。法政大以外の6大学ではできない芸当であり、意義が大きい。
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