すき家、「ワンオペ」解消をめぐる見解のズレ 第三者委員会は深夜以外の解消も提言

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改善の背景について、ゼンショーは「分社化による組織再編」を挙げる。2014年6月にすき家を全国7つの地域会社に分け、各社の社長や幹部を当該地域に居住し、店舗や従業員とのコミュニケーション機会を増やした。その結果、「社長が労働状況を日々確認し、指示をすることで長時間労働を未然に防ぐ体制ができるようになった」(すき家本部の興津社長)という。

ただ、一人勤務体制(ワンオペ)の解消については、第三者委員会とゼンショーとの見解には”ズレ”がある。ゼンショーは昨年8月、深夜時間帯のワンオペ解消を決断。複数勤務体制が整わない店舗は、同年10月から深夜の営業を休止した

一時は1000店以上の休業

全店で深夜営業を再開するタイミングは?

このため、当初は全国約2000店のうち1254店が深夜休業となったが、人手が確保できた店舗から深夜営業を徐々に再開。直近ではそれが616店まで減少した。8日の会見ですき家本部の興津社長は、「当初は6月末に全店再開という社内目標を掲げていたが、3カ月ほど後ろ倒しになる」と述べており、秋口には全店で複数勤務体制による深夜営業が再開する見通しだ。

しかし、一部の店舗では深夜以外の朝や昼間の時間帯でワンオペは続いている。白井委員長は「コストなど経営上の問題はある」と前置きしたうえで、「(深夜以外も)複数オペレーションでやった方が、従業員は安心感を持って働ける。客が少ない時間帯でもできる仕事はあると思うので複数勤務が望ましい」と会見で語った。

ゼンショー側は、「シフトの基準はその時間帯に何名のお客様が来店されるかという基準で決まる。深夜帯は過重労働や防犯の観点から(ワンオペ解消を)進めていくが、一人でも十分接客できるという時間帯については、一人勤務体制もありえる」(興津社長)としている。

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