餃子の雪松が「冷凍ラーメン」にも大胆挑戦する訳 「お店のラーメンを家庭で再現」は支持されるか

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現在はどのように展開しているのか。取材前に筆者が店舗オープン情報を調べた時は、静岡県内(伊東店、沼津店、裾野店、富士店、富士宮店、静岡葵店、焼津店、島田店、菊川店、袋井店、浜北店、浜松幸店など)が目立つように感じた。

「実際の店舗数としては東京都や千葉県が多いです。静岡県の店は、商品の配送効率を重視して同時期にオープンさせました」(高野内さん)

ここまでスピード出店できるのは、冷凍餃子の経験があるからだ。餃子とラーメンを冷凍車で運んで物流センターに一括納品し、そこから各店舗に運ぶ。

「現在は雪松店舗に併設していますが、餃子とは違い、ラーメンは販売チャネルも広げる予定です。今後は自動販売機やショッピングモールでの展開も考えています」(同)

店舗展開には懸念もある。とくに原材料の調達にアタマを悩ませる。「鶏油(ちーゆ)」というラーメンづくりに欠かせない油(鶏の脂身を加熱すると出てくる油)が不足気味だという。鶏油不足は一般ラーメン店も同じで、昨年には「油多め」メニューを中止する人気チェーン店も出たほどだ。

「餃子の雪松」店舗は北海道から鹿児島県まで全国に400店以上ある(筆者撮影)

なぜ「冷凍ラーメン」を開発したのか

さて、今回のテーマである「冷凍ラーメン」をなぜ開発したのだろうか。

「社内で新商品を議論するうち、『冷凍食品で、お店で食べる味のラーメンはない』という声が挙がり、その中身を深めていったのです。即席ラーメンにはカップ麺も袋麺もあり、それぞれおいしいのですが、消費者は〈店のラーメンとは別の味〉と感じながら食べています。“本物のラーメン”をミッションに掲げて商品開発をスタートさせました」

生ラーメンではなく冷凍ラーメンにしたのは、冷凍餃子の開発経験があったからだ。

「『お食事処 雪松』(群馬県みなかみ町)の餃子を冷凍で再現するために、すごく苦労しました。野菜中心の餃子なので、野菜の水分を多く使う餡の機械加工、冷凍化の実現のための野菜の食感などもそうです。そこで培った冷凍技術を応用しました」

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