餃子の雪松が「冷凍ラーメン」にも大胆挑戦する訳 「お店のラーメンを家庭で再現」は支持されるか

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株式会社YESの高野内マーケティング部長(写真:YES、撮影のためマスクを外しています)

3食入りの箱には説明書も入っているが、スープの味や麺の硬さは、個人によって好みが違う。水の量やゆで加減は自分で調節したほうがよさそうだ。

ラーメンは「地域による味の違い」が大きいが…

ところで「雪松」の看板商品である餃子に比べて、ラーメンは地域による味の違いが大きい。一昨年の取材でも専門家にこんな話を聞いた。

「大きく分けて、東日本は煮干しの醤油ベースで、ちぢれ麺も多い。一方、西日本はとんこつベースで、特に九州は圧倒的にそうです」(ラーメンデータバンク会長、日本ラーメン協会副理事長の大崎裕史さん)

東京都内の人気店が提供する「煮干しラーメン」(筆者撮影)

今回の冷凍ラーメン開発では、地域性についてどう考えたのか。

「各地の地域性はありますよね。ただ、近年は好まれる味が多様化してきました。魚介や豚骨のみを使ったシングル出汁(だし)はあまりウケず、〇〇ベースに△△や□□を足してといった合わせ出汁が多く、総じて濃厚な味が好まれています」(高野内さん)

昔ほど地域差はなくなってきたという話は、前述の専門家取材時にも耳にした。

「昔は、東西で味の好みがはっきり分かれ、(商品開発時に)強い煮干しベースの味を試作品で提案した時は、西日本の人からの拒否反応が強かったです。でも今は、そうした味も『おいしいかどうか』で受け入れられるようになってきました」(大崎さん)

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