米国が震撼「銀行パニック」が恐ろしい深淵理由 一流経済学者が教える、1913年FRB創設の裏側
連邦準備制度が実際に導入されたのは――何年も議論が続いた末のことだったが――別のパニックがやってきそうだったからだ。ヴァージニア州代表の下院議員カーター・グラスは、1913年初期にこう宣言した。
「無視してはならない症状があらわれている。(中略)緊急性のあるパニックなのだから、対応を強制されるところまで手をこまねいているのは愚の骨頂である」。
パニックということばは、明らかに重い心理学的恐怖を伴うものだ。連邦公開市場委員会(FOMC)は、金融危機において審議するとき本能的にこれを理解している。FRBは創設時から、安心が崩壊しつつあるときに決然と行動する機関だと見なされてきたのだ。
それでも危機は繰り返される
FRBとその後のFDIC(連邦預金保険公社)は、銀行パニックを引き起こしかねない流動性問題の巧妙な解決策だった。
実際、かなりの期間にわたり、銀行パニックや流動性危機は過去のものになったように思われ、それがあまりに顕著でほとんどの経済学者は、それが解決済みの問題だと思っていた。
ところが2008年9月15日、リーマン・ブラザーズが倒産した。FRBと政府は、経済に介入する新しい方式を開始した。もはやFRBと財務省の力で一つの機関を救うという話、つまり最初のドミノが倒れるのを防ぐという話ではなくなった。世界中の中央銀行や政府が自国経済と、そしてもっと広く世界経済を救おうとしていたのだ。
われわれのアニマルスピリット観、そして本書における中央銀行の力の議論(特に危機時の話)は、なぜそうした危機が起きたかという解釈の柱となっている。
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