AIに仕事を奪われる人・奪われない人の決定的差 知識労働者の大量失業を防ぐためにはどうするか

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第1は、「集合知マネジメント力」である。これは、組織のメンバーが集まり、それぞれの知識と智恵を出し合い、議論し、そこから新たな知識や智恵が「創発」(Emergence)してくるプロセスを促す力である。そして、この力を発揮するためには、組織のメンバーがわくわくするような魅力的ビジョンを語る「ビジョン・メッセージ力」と、メンバーが小さなエゴを超えて、互いに協力し合える場を創る「エゴ・マネジメント力」が求められる。

第2は、「組織内アイデア実現力」である。これは、組織において、単に新たなアイデアを「発案」するだけでなく、そのアイデアを周囲に魅力的に説明し、上司をうまく説得し、組織を円滑に動かすことによって、そのアイデアを「実現」する力である。実は、企業や組織において真に求められる「クリエイティビティ」とは、単なる「新規アイデア発案力」ではなく、これら「集合知マネジメント力」や「組織内アイデア実現力」であり、この「2つの力」もまた、AIでは決して代替できないものである。

人間だけが発揮できる「6つの力」

このように、これからの時代に、AIでは決して発揮できない能力、人間だけが発揮できる高度な能力として、次の「6つの力」が挙げられる。

第1 非言語的コミュニケーション力
 第2 対人的深層共感力
 第3 成長マネジメント力
 第4 心理マネジメント力
 第5 集合知マネジメント力
 第6 組織内アイデア実現力

従って、これからのAI革命の時代には、政府や企業は、知識労働者の大量失業を防ぐために、国民や社員が、こうした能力を身につけ、磨くことを支援する必要がある。また、われわれ個人も、AIに仕事を奪われないために、こうした能力を高めていくことが、極めて重要な条件になっていく。

しかし、一方で、この知識労働者の大量失業について、世の中に流布されている楽観的政策論がある。それは、「ベーシック・インカム」(Basic Income)と呼ばれる政策である。

特に、AI失業を抑止するための政策論として、「AIの導入によって生産性を圧倒的に向上させ、巨大な利益を得た企業に、多額の法人税を課し、それを財源として、国民に、毎年、最低限の年収を保証する」という考え方が提案されている。

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