ほかの社員宛てに来社した方が顔見知りの人だった場合、ついフランクに接しがちです。ただ、会社という公的な場なので、そのふるまいが周囲にどんな影響を与えるかを考慮する必要があります。どんなに親しい取引先の方であっても、最低限の礼儀は保ちたいものです。
かといって、形式ばった社交辞令では、相手も違和感を持つことでしょう。普段は親しく接しているあなたが他人行儀に挨拶をしてしまっては、不信感を持ったり不安になったりするかもしれません。フランクさと礼儀正しさをミックスした、絶妙なニュアンスを選びたいものです。
そう考えると、「こんにちは、今日は○○(担当者の名前)のところですか?」ではあまりにラフなので、「いらっしゃいませ、○○がお世話になります」くらいがちょうどいいでしょう。「今日はうちの○○がお世話になるそうで。ぜひよろしくお願いします」といったアレンジは許容範囲です。
帰りがけに顔を合わせたときは、「○○のところにいらしたんですね。ありがとうございました。引き続き、よろしくお願いいたします」と声をかけましょう。ビジネスでは、人との縁がつながることがとても大切です。ちょっとした挨拶を積み重ねることで、関係性が保たれていくものなのです。
来客対応では、気遣いと労いを伴った言葉遣いを
来客対応で1つ気をつけたいのが、お客様が訪ねてきた担当者と同じ名前の人が複数いるとき。「佐藤さんはいらっしゃいますか?」と聞かれて、「佐藤○○でしょうか? それとも佐藤△△でしょうか?」と言うのは避けましょう。名前は個人情報なので、どんなに親しい間柄であっても外部の人に口外するのは控えるべきです。
また、「男性の佐藤ですか? 女性の佐藤ですか?」「背の高い佐藤ですか?」「髪の長い佐藤ですか?」などと聞きたくなるかもしれませんが、性別やビジュアルについて言及するのは、今の時代にふさわしくありません。
「佐藤は複数おりますが、フルネームはご存じでしょうか?」「部署名はご存じでしょうか?」と聞くのがベストです。
来客対応では、礼儀正しく丁寧に、かつご足労いただいたことへの気遣いと労いを伴った言葉遣いが肝要です。コミュニケーション力はもちろん、人間力が試される場面でもあり、会社としての姿勢も問われます。
配達に来た人に「いらっしゃいませ」と言う必要はありませんが、「ありがとうございます」「ご苦労様です」という挨拶は自然に出るようにしたいもの。「あの会社に行くと、気持ちよく迎えてくれる」と思われるような対応ができるといいですね。
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