相手が何時に誰と約束をしているかがわかったとして、その担当者が不在のこともありえます。会議が長引いていたり、外出からの戻りが遅れていたり、もしかしたら当の本人が約束を忘れていたなんてこともあるかもしれません。
責任はその担当者にありますが、来客対応をしているのはあなた。お客様に対しては自社の責任として謝罪をしなくてはなりません。
まずは、「大変申し訳ございません。担当の○○はただいま席を外しておりますので、状況を確認して参ります」とお詫びしましょう。
もし、会議が長引いていたとしても、そのままの理由をお客様に伝えるのは控えます。「自分との約束よりも、社内会議のほうを重んじている」と受け取られる可能性があるからです。「状況を確認して参ります」ととどめておくのが賢明です。
ストレスなく待てるような配慮を
やむをえず、お客様を待たせてしまう場合。「こちらにおかけになってお待ちくださいませ」と言っていませんか? 言葉としては間違いではありませんが、お客様への気遣いという点では不十分です。お客様を待たせる場合、2つの気遣いが必要です。1つは場所、もう1つは時間です。
まずは、「こちらにおかけになって」と言いながら、座っていただく椅子やソファーのところまで案内しましょう。たまに、「あちらの部屋で」や「そこの会議室で」と案内されることがありますが、初めて訪問する会社では、どの扉を開けていいものか悩んでしまいます。社内の人間なら「あちら」「そこの」でわかるでしょうけれど、外部の人はわかりません。迷わないように、「こちらに」と席まで案内するのが礼儀です。
そして、「少々お待ちください」ではなく、「2~3分お待ちいただけますでしょうか」とおおよその待ち時間を伝えます。「少々」と言われて延々と待たされたら、ストレスになり会社への不信感につながります。
そして「2~3分」と言ったなら、3分後には何らかの回答を持って戻ってくるようにします。もしまだ担当者が会議中だとしたら、「申し訳ございません。あと5分ほどかかるようですので、このままお待ちいただけますでしょうか」と、時間の目安とともに伝えます。
この場合、「お待ちくださいませ」と言うのではなく、「お待ちいただけますでしょうか」と相手の了解を得るスタンスで言うことをお勧めします。「~してください」「~してくださいませ」は、丁寧な言い方であっても、相手にその行動を強いるニュアンスがあります。「お待ちいただけますでしょうか」と疑問形にすることで、やわらかく感じられるのです。
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