無印良品、台湾で大躍進を始めた知られざる経緯 大型店が続々、台湾オリジナル商品も本格化

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まさに台東店がそうだ。

台東県は県内の約93%が山地で、総人口もわずか22.6万人程度(台東県政府主計処、2022年12月時点)という難易度の高い商圏であるように思えるが、「そういう場所だからこそ無印良品が出店する必要がある」という。

「今回私たちが出店した場所は、3キロ圏内に人口が10万人もいない地域なので、通常だと非常に小さな売り上げになりがちなのですが、実際にはわれわれの予想を大きく超えた結果が出ています」(吉田総経理)

台東での出店にあたっては、台東県政府との間に小売業以外の活動についても協業を行っていく旨の協定を締結。ほかの民間企業らと連携して地域社会を創造していく姿勢だ。

「移動販売車」は、台東県内11エリア43スポットで展開中(2023年2月現在)。「店舗に足を運びづらいお客様にも買い物を楽しんでいただきたい」という想いは台湾でも変わらない(提供:無印良品)

台湾オリジナル商品を開発した理由

台湾オリジナルの商品を企画・開発する狙いは何か。

「これも、衣食住のアイテムをそろえ、“暮らしを支える”という方針に沿って行ったことです。必然的に“食”の周辺から取り組むことになり、商品開発を進めてきました」(吉田総経理)

台湾人スタッフが中心となり、日本の本社からのサポートも受け、食品関連は台湾で開発した商品の数が日本から輸入する商品数を超えた。今後もさらに拡充し、キッチン用品などでもしっかり売り場を作っていくという。

写真左より、オリジナル商品の売り上げランキングは1位が豆乳、2位が龍眼やナツメ入りの黒糖、3位が金柑の砂糖漬け(提供:無印良品)
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