無印良品、台湾で大躍進を始めた知られざる経緯 大型店が続々、台湾オリジナル商品も本格化

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また、リサイクルガラス最大手「春池ガラス」と協業し、台湾無印として初の試みとなるガラス工房を設置したこと。さらに、台湾で初めて店内に無料のウォーターサーバーを設置し、店舗限定のリサイクルガラス製マイボトルを販売することが現地で話題になった。

「MIRAMARフラッグシップ店」内の「良品市場」。実演可能な簡易キッチンが設置され、木の温もりが伝わる心地よい空間だ(写真:筆者撮影)

これまで台湾無印がセレクトして提案する売り場には、台湾の書籍が並ぶ「MUJI BOOKS」があったが、台湾無印オリジナルのアイテムは1つもなかった。店頭に並ぶのは日本から輸入されてくる商品で、どうしても日本で購入するほうが選択肢が多く価格も安かったから、台湾の友人の多くも、日本旅行の際に無印良品に立ち寄って爆買いするのが常だった。

台湾限定商品や地産地消のコーナー

ところが、この「MIRAMARフラッグシップ店」のオープン頃から、ほかの店舗でも台湾茶や台湾のお菓子など、台湾オリジナルの食品を見かけるようになっていった。

出店攻勢もかけている。

2022年7月には、台湾南部の高雄市に、当時の最大面積となる700坪の路面店をオープン。路面店、セルフレジといった台湾無印にとって初めてとなる試みを導入した。

ほぼ同じタイミングで台湾南東部の台東県にも、3フロア計600坪の店舗をオープン。日本では2020年から導入されている「移動販売車」を台湾で初めて導入し話題になった。

直近では2023年1月に、台中に開業した台湾における初のららぽーと「三井ショッピングパーク ららぽーと台中」に500坪ほどの店舗もオープンしている。

台湾南部の高雄には、台湾無印にとって初となる路面店をオープン(提供:無印良品)

これらの大型店の店内には、台湾で企画・開発された限定商品を中心に、魅力的な地産地消の商品が並ぶ「良品市場」のコーナーが設けられている。

今や筆者にとっての台湾無印は、食品・日用品のセレクトショップとして「わざわざ出かけて訪れたい存在」となった。日本の友人や家族へのお土産を調達する場としても活用させてもらっている。

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