くら寿司、迷惑客逮捕への「声明」にちらつく懸念 迷惑客にすら配慮したスシローとの「大きな違い」

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では、くら寿司より「前」に、同様の「金髪少年(男性)による、寿司テロ」に見舞われたスシローは、どのように対応したのか。同様の被害に遭いながらも、くら寿司とはかなり異なっている。

スシローの広報対応の巧みさは、先日寄稿した「スシロー、社長の『ツイッター降臨』が意味する事」で解説したが、改めて要点を振り返っておきたい。スシローは1月29日にSNSで拡散した「迷惑動画」に関連して、3回もプレスリリースを発表している。1回目は拡散の翌日だ。

「スシロー全店において、当該事象発⽣の有無、発⽣していた場合その時期、被害に遭ったお店の特定などの調査を進めており、対象となりうる店舗では消毒などを進め、また、早急に警察と相談させていただきながら刑事⺠事の両⾯から厳正に対処してまいります」(公式HPより)

いち早く事態の把握に取り組んでいること、そして犯人に対し厳正に対処することを表明している。さらにその翌日にもプレスリリースを公開した。判明した被害店舗の名称と、「テーブル席と提供レーンの間に一部アクリル板の設置」といった再発防止策を明らかにした。

そして、金髪少年や撮影者へのバッシングも激しさを増し、この少年は高校を「自主退学」、さらに「月内に書類送検」と報じられたことを受け、3回目のプレスリリースを発表する。

「既に発覚している一連の事象に関係する方々への直接的な危害となるような言動はお控えていただくよう伏してお願い申し上げます」(公式HPより)

スシローは、犯人の少年に対する配慮まで見せた。随所にきめ細かい対応を見せたスシローに対し、逮捕までは公式コメントを出さず、逮捕時には「警察に感謝」した「強気の」くら寿司。ともに「寿司テロ」の被害にあった「回転寿司チェーン」だが、その広報対応は、実に対照的なのだ。

今回に限ったものではない、くら寿司の強気な広報対応

さて、くら寿司の強気な広報対応は、今回に限ったものではない。昨年4月から8週にわたって、週刊文春がくら寿司への追及キャンペーンを展開した。このときの対応も「強気」だった。週刊文春の見出しには刺激的な文言が並ぶ。

「『くら寿司』店長が店の駐車場で焼身自殺した 従業員が悲痛告発する『上司のパワハラ』」

「『くら寿司は遺族を恫喝した』焼身自殺した店長の姉が告発」

「アルバイトを店長が自腹で…『くら寿司』労基法違反の疑い」

「『有休がもらえない』くら寿司に新たな労基法違反疑惑」

「くら寿司に新告発『私は“障がい者いじめ”で退職した』」

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