1945日本占領 徳本栄一郎著

1945日本占領 徳本栄一郎著

モーツァルトの『魔笛』で知られ、陰謀説が語られたりもするフリーメイスンと日本占領の深層を解明した異色の書。実はマッカーサーとその下僚の多くがメイスンの幹部で、占領政策の根幹はその教義に基づいて行われていたとする。教義とは自由・平等・友愛であり、プロテスタントの地盤強化も重要な戦略の一環だった。マッカーサーのフィリピン撤退などメイスンの歴史的足跡に始まり、日本占領とともにGHQ、天皇、国際赤十字、バチカン、吉田茂、鳩山一郎、白洲次郎などが入り乱れての虚々実々、確執が主題となるに伴いがぜん、盛り上がる。

天皇制の存廃から天皇のメイスン入会、日本改造を目指した占領政策などにメイスン思想の影が色濃いことが浮き彫りされて興味深い。白洲をめぐる冷静な筆致にも好感が持てる。埋もれた1次資料、数少ない当事者の証言を求めて欧米を駆け巡った知恵と汗の結晶であり、
第一級のノンフィクションである。(純)

新潮社 1785円

  

ライフの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 北朝鮮ニュース
  • 就職四季報プラスワン
  • 西村直人の乗り物見聞録
  • 貧困に喘ぐ女性の現実
トレンドライブラリーAD
  • コメント
  • facebook
0/400

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
集中連載「日立 踊り場の先へ」<br>ガバナンス問われる英国原発

日立製作所が着々と進めてきた英国の原発計画。来年にはすべての認可を得て、進むか退くかの最終判断を迫られる。経済合理性は疑問だが、会長案件という思惑も絡む。今の日立はどう判断するか。まもなくガバナンス改革の真価が問われる。