この5年で「売れた・売れなくなった」雑貨TOP30 全国のスーパーやコンビニなどのデータを分析
一方、アクティブシニアと呼ばれる健康で活動的な高齢者が増え、尿漏れ対策として軽失禁用のおむつの需要が拡大したことが、大人用の市場をいっそう成長させている。
高価格な商品が伸びるキャットフード
ペットフードについては、ペットフード協会の推計によると、2014年から飼育頭数は猫が犬を上回っており、その差は拡大する傾向にある。犬の種類別では、中型犬・大型犬の減少が顕著なようだ。これがドッグフードの需要縮小に影響していると見られる。
中・大型犬の飼育頭数が減少している背景の1つとして、戸建てではなく、集合住宅に住む人が増えてきていることが挙げられる。集合住宅では、飼育できるのは小型のペットのみとして、中・大型犬を飼うことができない場合が多い。また、戸建てに住んでいる場合でも、単身世帯・共働き世帯の増加に加えて飼い主の高齢化もあり、散歩の負担が大きいのではないだろうか。
一方、好調なキャットフードで特に伸びているのが、おやつタイプ。2022年対2018年比を見ると、キャットフード全体では118.2%だが、おやつタイプでは166.5%と大きく伸長した。嗜好品であるおやつタイプは、高価格帯の商品が多くラインナップされている。猫の飼育数が堅調に推移する中、「家族の一員」として猫にかける費用の増加も、キャットフード市場の成長に寄与しているようだ。
この5年の雑貨の売れ行きを見ると、コロナだけではなく、単身世帯・共働き世帯の増加や居住スタイルの変化、簡便化志向の高まりなど、さまざまな要因が雑貨の好不調に影響を与えていることがわかる。
3月13日からは、マスク着用が屋内外問わず個人の判断に委ねる政府方針となった。外出増、インバウンド需要の回復、相次ぐ値上げなど、あわただしく市場環境も変化している。こうした影響により、雑貨の好不調のトレンドは今後も大きく変化していくはずだ。
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