「オートミール」がコメ好きの日本で認められた訳 いったい誰に買われているのか購買データを分析

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米の代わりとして食べられているオートミール(写真:kikisorasido/ PIXTA)

コロナ禍で最も販売金額が伸びた商品というと、何を思い浮かべるだろうか。コロナ禍のヒット商品としては、「手指消毒剤」「マスク」「体温計」が挙げられる。ところが、これらを抑えて目立って伸長したのが「オートミール」だ。

オートミールは、オーツ麦を食べやすく加工したシリアル。低脂質・低カロリー・高たんぱくという特徴から、ダイエットや健康によい食べ物だとされている。コロナ禍で一躍脚光を浴び、市場規模が急拡大したオートミールは、どのようにブームが広がったのか。小売店の販売データや購入者の動向から見ていこう。

爆発的にヒットしたオートミール

図表1は、全国のスーパー、コンビニ、ドラッグストアなど、約6000店舗の販売動向を追っている「インテージSRI+」より、2021年の販売金額をコロナ前の2019年と比較したもの(下表は、2020年・2021年の前年比)。2021年対2019年比では、オートミールが854%と突出していることがわかる。

コロナ1年目の2020年には、感染予防の需要が急伸し、手指消毒剤やマスクの前年比はオートミールを上回った。ところがコロナ2年目の2021年には、手指消毒剤やマスクの販売金額は、前年に急伸した反動で前年を大きく割り込んでいる。一方、オートミールの販売金額は、2021年も前年に続いておよそ3倍にまで伸長したのだ。

その勢いは、国民的ヒット漫画の関連商品が牽引した「玩具メーカー菓子」や、ダイエット・健康志向を捉えた「プロテイン粉末」を上回っている。

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