「オートミール」がコメ好きの日本で認められた訳 いったい誰に買われているのか購買データを分析
電子レンジで温めるだけで米の代わりにもでき、手軽な食べ物としても人気で「運動不足で体重が増えてしまい、ダイエットしたい」「家事の負担が増えてしまい、効率化したい」といった、コロナ禍ならではの需要を捉えて、爆発的にヒットしたと考えられる。
オートミールの人気は2022年も継続し、2022年1-8月の販売金額をコロナ前同期の2019年1-8月と比較すると、1319%と13倍を超えるまで伸長しているのだ。オートミールは、コロナ禍を契機に、食卓に定着してきたと言えるだろう。
オートミールは誰が買っているのか
オートミールを誰が買っているのかを見てみたい。図表2は、全国の男女約5万人のモニターから買い物データを継続的に聴取している「インテージSCI」から、オートミールの金額構成比(性年代別)を確認したものだ。購入者自身の需要を見るため、代理購買を除き、本人用または共用での購入に絞っている。
男女別の構成比にみると、2019年でも女性が63.5%とおよそ3分の2を占めていたが、2020年には74.9%とおよそ4分の3まで増加した。2021年以降も、女性の構成比は高い水準を維持している。
増加した女性の構成比を年代別にみると、2020年に構成比が急伸したのは女性15-29才で、前年の10.8%から23.1%へと倍増した。オートミールのヒットは、動画配信サービスやSNSで、手軽にダイエットができると話題になったことがきっかけと言われている。情報感度が高く流行に敏感な若年層の女性がブームの火付け役となったようだ。
ところが2021年の構成比を見ると、女性15-29才は9.9%に減少し、女性45-59才が22.8%、女性60-79才が24.9%に増加した。さらに、2022年1-8月には、女性45-59才と女性60-79才を合わせて半数を超えるまで構成比は増加している。
人気が高まるにつれ、オートミールは雑誌やテレビ番組などのメディアでも取り上げられ、幅広い世代で知られるようになった。若年層の女性は流行に敏感な一方で、うつろいやすいという特徴もある。そうした中、ダイエットや健康への関心が高いとされる中高年の女性へと購買層が広がり、2021年以降も継続して伸長したようだ。
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