この5年で「売れた・売れなくなった」雑貨TOP30 全国のスーパーやコンビニなどのデータを分析
靴クリームについても、スニーカー通勤の広がりが、需要を縮小させたと見られる。洗濯のり・靴クリームとも、最も大きく減少したのは、コロナ1年目の2020年だ。コロナ禍における在宅勤務の定着で、ワイシャツや革靴を使用する機会が限られてきたことも、市場をいっそう縮小させたようだ。
3位のリップクリームは、2020年に急減した。外出自粛やマスク生活により、外出時の身だしなみ需要の縮小を受け、苦戦したものと見られる。
5年間では苦戦したものの中にも、2022年には回復の兆しが見られた商品もあった。3位のリップクリームや6位の日焼け止めは、2022年に1~2割ほど伸長している。外出自粛要請が解除され、緩やかに外出が増えてきたためだろう。さらに同年の後半には、水際対策の緩和を受け、インバウンド需要に回復の兆しが見られたことも追い風となっている。
類似商品でも明暗が分かれた、紙おむつ・ペットフード
ここまで、5年間で売り上げが伸びた商品、落ちた商品の傾向を見てきた。両者を比較すると、類似の商品であるにもかかわらず、好不調の明暗がはっきりと分かれた商品がある。
たとえば、紙おむつとペットフードの分野だ。紙おむつでは、大人用が好調なのとは対照的に子供用が苦戦。ペットフードでは、キャットフードが好調であるのにドッグフードが苦戦している。市場規模で見ても、2018年以前から大人用が子供用を、キャットフードがドッグフードを上回っていた。その差が、この5年でさらに拡大してきているのだ。
紙おむつで大人用と子供用で明暗が分かれた背景として、少子高齢化が挙げられる。2019年の中国電子商取引法の施行による転売規制に加えて、2020年からのコロナ禍でのインバウンド需要消失や少子化加速も、子供用の紙おむつの苦戦に拍車をかけることとなった。
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