高収入40代女性が婚活で「毒を吐きがち」なワケ 婚活に仕事を持ち込んでしまうとどうなるか

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高収入女性は、婚活においても仕事モードを持ち込んでしまうせいか、厳しい口調に怖がってしまう男性も少なくありません。しかし、「仕事帰りでもデート中は“自分”になりましょう」と私が言い続けたせいか、すみれさんはオンオフの切り替えができていました。その点も婚活成功のカギだと思います。

例えば、デートで2人で作ったおかずを、帰り際に容器に入れて「今日の晩御飯に加えてね」と持たせたり、メッセージカードに「温めて食べてね」と書いてくれたり。涼さんはその家庭的なあたたかさがうれしかったと言います。やはり、40代以上は40代以上ならではの成熟した魅力がないと結婚することは難しいと感じます。

パワーカップルが増えている背景

すみれさんも涼さんも初婚同士。パワーカップルはこれまで仕事が忙しかったせいか、初婚同士が多いようです。また、これまでは女性が年上で、男性は年下で甘えたいタイプのパワーカップルが多かったのですが、すみれさんのように同世代のパワーカップルも増えてきました。

かつては、男性側が「子どもがほしい」「若い女性がいい」と言うことが圧倒的に多かったのですが、2022年夏あたりからそういう要望は減ってきたように思います。

女性側も、以前は自分が高収入でも「これまで一生懸命働いてきたんだから、もう仕事は辞めたい」と言って、相手男性に1500万円、2000万円とさらに上の年収を求めがちでした。すみれさんはそういったことはいっさい言わず、最初から自分も働き続けると決めていました。

社会の背景が影響しているのかもしれません。コロナ禍やウクライナ戦争、物価高と社会的にも経済的にも不安定な状況が続き、自分の生活と健康を維持することが精いっぱい。主婦になって子どもを産み育てようという精神的な余裕がないのかもしれません。

実際、パワーカップルも簡単に稼いでいるわけではありません。夜遅くまで働いてやっと年収1000万円。今の時代、都心では1000万円あってもそれほどラクな生活はできません。こうした苦しい状況が、互いにずっと働き続けて高収入を維持することを約束したカップルを生み出しているのです。

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植草 美幸 恋愛・婚活アドバイザー、結婚相談所マリーミー代表

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うえくさ みゆき / Miyuki Uekusa

1995年にアパレル業界に特化した人材派遣会社エムエスピーを設立。そこで培ったマッチング能力・人材発掘力を生かし、2009年に結婚相談所マリーミーを設立。結婚相談業のほか、セミナーの開催、テレビやラジオへの出演など、アラサー・アラフォー男女を「幸せな結婚」に導くために幅広く活動中。『ワガママな女におなりなさい 「婚活の壁」に効く秘密のアドバイス』(講談社)、『「良縁をつかむ人」だけが大切にしていること』(諏内えみさんとの共著、青春出版社)、『結婚の技術 (中央公論新社)、『モテ理論』(PHP文庫)など。

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