部品不足が世界を巡る 自動車、スマートフォンの生産も打撃

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 現在の自動車は電子化が進んでおり、1台当たり30~100個のマイコンが使用される。さらに安全性確保のため自動車メーカーごとに仕様基準が決められ、代替の利かないケースが多い。影響は海外にも広がり、米ゼネラル・モーターズ(GM)、仏プジョーシトロエングループの工場が生産停止や減産に追い込まれた。いずれも日本メーカーが供給する電子部品の不足が原因とされる。

ほかにも調達不安な部品はある。エンジンなどの油漏れを防ぐオイルシールで世界シェア約5割のNOKは、主力の福島2工場が被災。同製品の多くは国内で作られ、海外へ部品供給(KD)される。そのため日本の自動車メーカーの海外生産に影響を与えかねない。ネジなど意外な“ローテク”部品も国内に残っており、今後はどの部品がボトルネックとなるかわからない。自動車業界に詳しいアドバンスト・リサーチ・ジャパンの遠藤功治アナリストも「5月の連休前まで生産停止が続く可能性もある」と指摘した。

リーマンショックから立ち直り、世界需要が回復途上にあっただけに、生産停止が長期化すれば、来期の業績本格回復のシナリオに狂いが生じる。自動車業界は、かつてない試練に直面している。

(週刊東洋経済編集部 =週刊東洋経済2011年4月2日号)

※記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
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