医師が警告「"悪い睡眠"は心臓にも悪影響」4大NG 「寝具の選び方」「お酒の飲み方」…あなたはOK?

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3つめは、「『寝返りが打ちにくい』ことも『睡眠の質』につながる」ことです。

【3】「寝返りが打ちにくい」ことも「睡眠の質」につながる

関係なさそうに見えがちですが、「寝具」は「睡眠の質」と大いに関係があります。人は眠っている間に寝返りを打つなどして結構、動くものです。このときに「寝返りが打ちやすい寝具」であることが重要です。

「睡眠の質」には寝返りがうちやすいことも大きく関係する。「寝具」が合わないと寝返りが打ちづらくなりやすく、その結果、寝ている途中で起きてしまったり、眠りが浅くなったりと「睡眠の質」に影響が出てきやすくなる(イラスト『「100年心臓」のつくり方』より)

寝具は、最近ではさまざまな機能のものがありますが、体が沈み込んでしまうようなものだったり、枕が合わなかったりすることも、寝返りが打ちづらくなってしまう原因のひとつになります。

寝返りが打ちづらくなると、「寝ている途中で起きてしまう」「眠りが浅い」など「睡眠の質」を下げてしまうことにつながります。

枕1つでも「睡眠の質」は変わりますので、一度、寝具を見直してみるといいかもしれません。

【4】「深部体温」の調節がしにくい「ナイトウェア」要注意

もうひとつ、「ナイトウェア」も睡眠の質に大きく関係します。

人は睡眠中に「深部体温」が下がります。この「深部体温」を上手に下げることも、「睡眠の質」と関係があります。「深部体温」を下げることで「脳内の温度」も下がり、脳を休めることができるからです。

「深部体温」を下げるためには、末端から上手に熱を逃がすことが大事です。また人は睡眠中に少なからず汗をかくものですが、これも体温の調節のためです。適度に気化熱で体温が逃げたほうが「深部体温」が下がるからです。

しかし、あたたかいほうがいいといって、モコモコに着込んでしまうと「深部体温」が下がり切らず、その結果、熟睡しづらくなって「睡眠の質」を下げてしまうことになってしまいます。

私は、汗をよく吸い取ってくれて通気性もよい「スポーツウェア」をおすすめしています。「たくさん汗をかかない程度の涼しい格好で寝る」ことが「睡眠の質」にとっては大切なことです。

「睡眠の質」を上げて「100年心臓」を手に入れる

理想の睡眠時間は7~8時間ほどですが、「睡眠時間は少々短くても熟睡を心がける」ことが「睡眠の質」を上げるためにも大事なことです。

「心臓の休息タイム=就寝時」には、ムダに「交感神経のスイッチ」を入れないような工夫が必要ですが、決して難しいことではありません。普段の生活をちょっと見直すだけで「睡眠の質」はぐんと上がります

「夕方以降に飲むカフェイン入りのコーヒーやお茶」を控えることも、かなり有効です。

みなさんも「睡眠の質」を上げる工夫をして、「心臓にやさしい休息タイム」をつくり、人生100年時代を最期まで満喫できる「100年心臓」を、ぜひ手に入れてくださいね。

池谷 敏郎 医学博士/池谷医院院長

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いけたに としろう / Toshiro Iketani

1962年、東京都生まれ。医療法人社団池谷医院院長。東京医科大学医学部卒業後、同大学病院第二内科に入局。1997年、医療法人社団池谷医院理事長兼院長に就任。専門は内科、循環器科。現在も臨床現場に立つ。生活習慣病、血管・心臓などの循環器系のエキスパートとして、数々のテレビ出演、雑誌・新聞への寄稿、講演など多方面で活躍中。東京医科大学循環器内科客員講師、日本内科学会認定総合内科専門医、日本循環器学会循環器専門医。著書に『体内の「炎症」を抑えると、病気にならない!』(三笠書房)、『「血管を鍛える」と超健康になる!』『血管の名医が教える15歳若返る習慣』(ともに知的生きかた文庫)などがある。

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