「ミス・ユニバース」の"審査基準"が激変したワケ それでも“水着審査"は続ける理由
ミス・ユニバース・ジャパンのセミファイナリストに選ばれた女性たちは、4か月にわたって集中的にトレーニングを行い、次なる審査に臨む。スピーチやウォーキング、リーダーシップを養うためのグループワークなど、その内容は多岐にわたる。グローバルな大会であるため、日本と世界の作法の違いについても教え込まれるという。
「私たちは総理大臣などの重職の方々に表敬訪問をよくするのですが、その際は日本の代表なので『日本人として』どういう作法をしなければいけないかを教えます。一方で世界大会ではその作法はできないということははっきりと話します。自分がいる環境がどういう文化かを理解し、適した作法をしっかり行うことが大事なので、その判断力を身につけてもらうようにしています」

トレーニングの最中の態度も審査対象だ。
「大会ではウォーキングやパフォーマンスを見ますが、それ以外の日常の考え方や振る舞いもトレーニング期間中に見ています。例えば飲み物にしても、ペットボトルを何本も買っていたりしたら環境問題が世界的関心事である昨今ではエレガントではないし、リスペクトもできません。また、周囲のスタッフへ率先して気遣いができているかなども見ています」
常に「見られている」のが、女性の代表。トレーニングの段階から、戦いは始まっているのだ。
次回は妊婦も出場OK、日々変わる理想の女性像
現在、ミス・ユニバースの応募資格は「18歳以上28歳未満の女性」であること。身長や語学力などの制限はなく、次回の2023年度大会からは婚姻歴・出産歴の有無も問われない。妊婦もOKだ。
「毎年、事務局から各国のナショナル・ディレクターに対してどこを改善していくべきかが問われます。女性のあり方は日々変わるもので、世界がどう考えるかという点において検討を重ねています。
その中で決まったのが婚姻歴と出産歴で制限しないということ。女性のリーダーを決めるにあたって、結婚や子どもがいることがNGというのはおかしいですよね。多くのミスコンテストがある中で、ミス・ユニバースがいち早く間口を広げたことを、とても誇りに思っています」
来年はお腹が大きいミスの水着ウォーキングが見られる可能性も……。新しい女性像を切り開いていくミス・ユニバースに今後も注目!