足踏みする日経平均を押し上げる「新たな追い風」 コロナ後の「上昇トレンド」はまだ継続している

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では、日本株はどうだろうか。日経平均株価について「上下20%の物差し」を当てて考えてみよう。

2020年3月19日のコロナショックでつけた安値1万6553円は、直前の高値である同年2月12日の2万3861円から30.62%安だった。高値から20%下げたあたりから売りに回った投資家は、コロナの弱気相場で10%ほどの利を得た計算だ。

その後、この2020年の安値1万6553円から2021年9月14日につけた30年ぶりの高値3万0670円までは85.29%もの大幅高となった。この相場で、結果的に安値から途中の20%高から買いに転換した投資家は、大きな利益を得たと思われる。

「コロナショック後の強気相場」は継続中

重要なのは、ここからだ。その後の安値である2022年3月9日の2万4717円は、前出の2021年高値から19.4%安なので、ギリギリのところで弱気相場になっていないのだ。つまり2023年の現在の相場は、20%の相場観から言えば、「コロナショック後の強気相場は終わっておらず、上昇途中の踊り場である」ということだ。

仮に2022年3月の19.4%安でいったん弱気相場に入ったと仮定しても、その後の高値(2022年8月17日の2万9222円)は安値から18.23%高であるので、強気相場にも入っていない。このように踊り場が続いており、投資家が「下がるのか上がるのかはっきりしない」と迷うのも当然のことだ。

しかし、一方で日本株は今、「デフレという長い眠りからの目覚め」という大きな潮流の中にある。踊り場こそ長いものの、このコロナショック後の相場が再び上昇を始めるのはそう遠くないはずだ。約1年半もの長い踊り場で蓄えられたエネルギーと、久しぶりのインフレ相場のエネルギーが合流したとき、どんな大きな相場になるのかと考えるだけでわくわくする。

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