足踏みする日経平均を押し上げる「新たな追い風」 コロナ後の「上昇トレンド」はまだ継続している
このコラムでも何度かご紹介しているが、アメリカでは「株価が20%下がったらベア(弱気)相場入りで『戻り売り』、逆に20%上がったらブル(強気)相場入りで『押し目買い』」という相場のアノマリー(経験則)がある。
NYダウは弱気相場脱却後、モミ合い状態に
ニューヨーク(NY)ダウ工業株30種平均で見てみると、2022年1月4日に3万6799.65ドルの史上最高値をつけたが、その後の安値(同年9月30日の2万8725.51ドル)は高値から21.94%安となっていた。アメリカ流に照らせば、このときは「弱気相場」に入ったことになる。
だが、その後に相場は反転した。同年11月30日に高値3万4589.77ドルをつけて安値からは20.42%高となったことで、強気相場に戻ったことになる。したがって、2023年の現在は「押し目買い」が有効な時間帯だと考えられる。
では、実際の売買はどうだろうか。昨年9月から弱気になって、この戻り相場で空売りをかけた投資家は短期間で大きな損失を出したに違いない。また、戻りが鮮明になってきた昨年11月ごろから強気になって押し目を買った投資家も、その後はモミ合い状態に入ったため、現状ではさほど儲かっていない。
どうやら冒頭のアノマリーである「上下20%の考え方」は、相場のトレンドがかなり長期間継続するときだけ有効であるのかもしれない。日本の相場格言に「3割高下に向かえ」(3割上がったら売り、3割下がったら買い)があるが、NYダウに関して言えば「2割高下に向かえ」というのが現実的なところだろうか。
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