だから私は「八紘一宇」という言葉を使った 予算委員会での発言の意図を本人が説明
その結果、支払われなかった税金のしわ寄せは国民に押し付けられます。実際にOECDが2013年2月に公表した「BEPS報告書」によれば、このような企業の租税回避行動は各国の税収を減少させ、ひいては国の税制そのものへの信頼を失墜させるとされています。特にその影響を受けるのは発展途上国や家族経営企業などで、同報告書は「租税はただ愚か者が支払うようになった」とまで記載しているほどなのです。
これはグローバル経済の下での当然の帰結かもしれません。しかし正直者が損する社会を作ってはいいのでしょうか。1国の努力だけで解決できるものではなく、国際的な協調が必要です。そこには何をもって法益とするのかについて合意しなくてはいけません。すなわちどの国も認める客観的な公正を認識することが必要なのです。
この公正の理念こそが、「八紘一宇」ではないでしょうか。16日の予算委員会でこのことを提案した時、与党はもちろん他の政党の委員からも、全く批判の声は上がりませんでした。事前に理事会に添付資料と質問内容を通告しましたが、問題とされませんでした。
また私の質問に対して答弁に立った麻生太郎財務相が「この言葉を知っている人、手を挙げて」と呼びかけても、2名ほどしか手を挙げませんでした。「八紘一宇」はすでに忘れられた言葉なのです。
建国の思いを世界に伝えるべきではないか
だからこそ私はこの言葉に本来の意味を吹き込み、古来より日本が持っていた「和」の美徳をもういちど蘇らせたい。今年12月にはBEPSプロジェクトの取り組みについてとりまとめが行われるとことなので、この日本の建国の思いを是非とも世界に伝えるべきではないかと安倍晋三首相に申し上げたのです。
「八紘一宇」をどうとらえるか。それは「日本人は永遠に言葉にとらわれつづけるべきだ」と考えるか、あるいは「戦争を乗り越えて、新しい未来を作る」と考えるかによって分かれるといえるでしょう。予算委員会で問題にならなかった私の「八紘一宇」発言は、一部のメディアにより曲解されて報道されましたが、これもいいチャンスだと思います。
戦後70年を迎えた今だからこそ、もういちど歴史を見直し、改めて日本の将来を考えるべき時かもしれません。
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