だから私は「八紘一宇」という言葉を使った 予算委員会での発言の意図を本人が説明
「八紘一宇」を予算委員会で用いた時、私は清水芳太郎氏の「建国」を解説として引用しました。これには「清水芳太郎は『日本的ファシストの象徴』と言われた北一輝の流れをくむ国家主義者ではないか」との批判をいただきましたが、私はそうは理解していません。
清水芳太郎研究で知られる平井一臣鹿児島大学教授の著書「『地域ファシズム』の歴史像・国家改造運動と地域政治社会」によると、清水氏は農村の貧困問題に取り組み、創生会を結成して運動を展開していました。ファシストというより、弱者救済を国レベルで成し遂げようとした人ではなかったのかというのが私の理解です。
さらに「八紘一宇」は二・二六事件の「蹶起趣意書」にも記載されていたために、軍事クーデターの原因となったとみなされがちですが、この事件が勃発するきっかけになったのも、農村の貧困問題でした。特に東北で長年農業恐慌が続いたことに加え、1931年と1934年に大凶作が起こり、少女の身売りや欠食児童問題が深刻になりました。
これらを見ると、多くの人々が困窮して国が疲弊している時こそ「八紘一宇」の重要性が叫ばれていたという歴史的事実が浮かび上がります。「八紘一宇」は混乱の時代にあって、人々を救済するスローガンだったと思うのです。
多国籍資本は何をやってもいいのか
それは現代社会にも当てはまります。たとえ武力による戦争に直接参加していなくても、日本はグローバル資本主義の下で激化する競争に常にさらされているのです。
そこで私は3月16日の参院予算委員会で、現在のグローバル資本主義の中で日本がどう立ち振る舞うべきかを質問しました。たとえば日本でビジネスを展開して莫大な利益をあげているにもかかわらず、法律のはざまをぬって税金を納めない外国資本はどうでしょうか。法律によって違法とされない限り、何をやってもいいのでしょうか。
実際に多国籍企業による「税源浸食と利益移転問題」は深刻化しており、本社を税率のより低い国に移すという「コーポレート・インバージョン」ばかりでなく、税率の低い第三国に親会社を設立するという「コンビネーション・インバージョン」も行われるようになりました。このように租税回避のテクニックは次々と生み出され、法律が追いつかないというのが現状です。
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