餃子の王将「タレ瓶に虫混入」も炎上しなかった訳 企業イメージの低下事例は過去に多く存在する

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「餃子の王将」で、タレ瓶に虫が混入していた問題。そこまで炎上しなかったのはなぜなのでしょう(写真:酒林 蒼/PIXTA)

インターネット上での企業イメージを考えるうえで、無視できないものがある。それは「虫」だ――などと、初っぱなからくだらないダジャレで恐縮だが、実際のところ、昆虫をはじめとする異物混入は、たびたびネット上で話題になる「炎上の常連」である。

このところ、客による「意図的な」迷惑行為が相次いでいる。衛生面での「意図しない」不祥事は、それとは若干文脈が異なるが、SNSでの拡散・炎上過程には、共通するところがある。

そこで今回は、10年ほどネットメディア編集者として、炎上を見てきた記憶をもとに、直近の事例もまじえつつ「ネットの混入史」をひもといていこう。

タレ瓶の内部に虫混入、会社が対応 

「餃子の王将」を運営する王将フードサービスは2023年2月9日、タレ瓶の内部に虫が入っている動画が拡散されているとして、「当該動画が投稿された時期、内容に類似する事案が当社のフランチャイズ店にて発生した事実を確認」したと発表した。当該店舗では発生日翌日に、保健所へ報告し、酢醤油などを全て廃棄。その後、保健所から「当該店舗の衛生管理状態は問題ない」との確認を得たと明かした。

ここまでは一般的な混入事案なのだが、その後の報道をきっかけに、状況が変化した。地元紙・京都新聞が14日、卓上調味料の撤去を全店に指示し、注文を受けてから店員が提供するシステムに変更したと報道。

虫混入の動画に加えて、9日の発表で触れられていなかった「相次ぐ迷惑行為」も考慮したと伝えられたことから、「迷惑客対策を引き合いに出すことで、虫騒動をごまかしているのでは」といった声が、ツイッター上に相次いだ。

次ページ指摘を受けて王将フードサービスの対応は
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