正念場のヤフーが打つベンチャー投資の勝算 成長の「踊り場」を脱せられるか

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YJキャピタルの平山竜代表取締役(撮影:梅谷 秀司)

日経平均株価が2万円に迫る展開の中、ベンチャー企業の資金調達額やIPO(新規株式公開)件数が増え、久方ぶりにベンチャー業界は盛り上がっている。一方でスマホゲーム会社gumi(グミ)のように、期待されながらIPO直後に業績を下方修正する”残念”なベンチャーも散見される。

このブームとも言えるベンチャー投資の裏で存在感を増しているのが、コーポレート・ベンチャーキャピタル(CVC)と呼ばれる、事業会社によるベンチャーキャピタルだ。VCの運用額で見ると、2014年にCVCを含む事業会社系の規模は独立系、金融機関系のVCを押さえ、トップに躍り出ている(ジャパンベンチャーリサーチ調べ)。

ヤフーは創業来初の営業減益へ

数多あるCVCの中でも資金額、人員ともに手厚いのが、ヤフーが100%出資するCVCのYJキャピタルだろう。親会社のヤフーは2015年3月期決算で、1996年の創業来初の営業減益が見込まれている。主力のPC向けネット広告がかつての勢いを失う正念場の中で、YJキャピタルにかけられる期待が高まっている。ヤフーは体制を新たにしたYJキャピタルでどのように突破口を開こうとしているのか。

YJキャピタルは今年1月、200億円の2号ファンドを立ち上げ、パートナーなどの在籍メンバー数も14人に倍増させた。ヤフーが、なぜこのタイミングでベンチャー投資を加速させているのか。 

「理由は2つある。まず、イノベーションのすべてがヤフーの中で起こるわけではない。そのことを考えて、外部で起きるイノベーションをすくいに行く。さらには、ヤフーが大きく育ててもらった日本のインターネット業界に、貢献していきたいという思いがある。社会的使命のような意味合いだ」。こう話すのは、1月の新体制発足と同時に就任した、YJキャピタルの平山竜代表取締役だ。

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