新型ノア/ヴォク「11万台」売れた驚異の真相 クラウンより先に最新技術を投入した下剋上

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しかし、セレナでハンズオフ機能が備わるのは「LUXION(ルキシオン)」という約480万円の最上級グレードのみ。特例中の特例だ。幅広く装着できるノア/ヴォクシーのほうが、より多くのユーザーにハンズオフ機能を提供できることは、言うまでもない。

また、ノア/ヴォクシーは燃費の面でもライバルをリードしている。たとえばガソリンFF車でWLTCモード計測値15.0km/L以上、ハイブリッドFF車23.0km/L以上という燃費は、明らかにライバルより上だ。

ドライバビリティ(運転のしやすさや操作性)においても、先代からのレベルアップはすさまじく、操縦安定性がよくなった。

走りの質感も大幅にアップしている(写真:トヨタ自動車)

高速道路や峠道での安定感が高く、先代の乗り味を知っている人なら運転の安心感が大きく増していることをすぐに感じることだろう。

先進技術から燃費、そして乗り味にまでわたって、現行ノア/ヴォクシーの完成度の高さは驚くしかない。先代からの“伸びしろ”も、ライバルに対するリードも半端ないのだ。これはお世辞でもなんでもなく、純粋にそう感じた。

真にユーザー満足度を考えた商品作り

筆者は、2022年にデビューしたトヨタ車の中で、ノア/ヴォクシーが“もっともユーザーにとって意味のあるクルマだ”と考えている。

実用性で期待を裏切らないし、先進機能を新型クラウンに先んじて惜しみなく投入するなど、ユーザーに満足してもらおうという意気込みがひしひしと感じられるからだ。そんな商品作りが、実質的なミニバン販売ナンバーワンにつながっているのは確実である。

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ところで、現行ノア/ヴォクシーはその歴史において初の「3ナンバー専用ボディ」となった。これまでもエアロ仕様は3ナンバーだったが標準タイプは5ナンバーで、車体自体は5ナンバーサイズを基準に作られていた。

しかし、新型は標準ボディでも従来型より大型化され、車体自体が3ナンバーサイズで作られている。一部のユーザーからはそれに対する不安や不満の声もあるようだが、販売実績を見ると大多数はしっかり受け止めていると考えられる。

工藤 貴宏 自動車ライター

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くどう たかひろ / Takahiro Kudo

1976年長野県生まれ。大学在学中の自動車雑誌編集部アルバイトを経て、1998年に月刊新車誌の編集部員へ。その後、編集プロダクションや電機メーカー勤務を経て、2005年からフリーランスの自動車ライターとして独立。新車紹介を中心に使い勝手やバイヤーズガイド、国内外のモーターショー取材など広く雑誌やWEBに寄稿する。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

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