「中学受験に挑んだ子」にかけてはいけない言葉 親の言葉は「ウイルス」にもなりかねない

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

親御さんが本当に今はストップさせたほうがいいと思ったときは、伝えるときの表情や言葉のトーン、しぐさなどの雰囲気も一致させる必要があります。

子どもは親御さんから期待をかけられていることをわかっていますし、本当にやりたいという気持ちでいる子もいます。本心で言っているのか、言わされている感じなのか、そこが一番よくわかっているのはいつも接している親御さんだと思います。

髪を抜くようになったり、いつもよりも怒りっぽくなっているなど、お子さんの様子が普段と違うようなときは、ストレスや、疲れが溜まっているサインです。そのサインを見逃さないことが大事だと思います。

そのときに「やめる」「やる」の2択だけの両極端な答えしかないと、負担になることがあるので、2択ではなく「ちょっと休む」という選択肢を設けてあげると良いでしょう。

休み方もスパッと全てやめてしまうということではなく、やる量や時間を減らしてみるなど、中庸も混ぜてあげると気持ちを楽にして考えられると思います。

ストレス耐性は個人差がある

いずれにしても、本人と話し合いながら決めていってください。病院では問題がないと言われていても、日常的に頭痛や腹痛など身体的症状が出ているときは家庭では見えないところ、塾や学校でなにかストレスがかかる状況があることも考えられます。お子さんの生活全体がどうなっているのかを見渡し、見直してみることが大事です。

ストレスに対する耐性はお子さんによって違います。毎日のちょっとした出来事をどう捉えるかはお子さんそれぞれの主観的なことになるので、その幅を広げることが大切です。

幅を広げるにはやはり経験が大事になります。砂利道は石をよけてから歩かせるように、これまで親御さんがすごく大事に育ててきたお子さんに、中学受験になったとたんに「さぁ頑張りなさい」と言っても、困難な道が出たときの乗り切り方を学習していないから、難しい話です。

受験をする前の段階から自分でスケジュールのやりくりをしてみたり、課題を親御さんと一緒に考えてみたり、ときには自分で試行錯誤して解決をしてみたりといった体験や、その結果、うまくいったという経験を生活の中でしていくとストレスを受け止める幅が広がります。受験はそのときいきなりスタートするのではなく、その前からのさまざまな経験がすごく大切になってくるのです。

宮本 さおり フリーランス記者

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

みやもと さおり / Saori Miyamoto

地方紙記者を経てフリーランス記者に。2児の母として「教育」や「女性の働き方」をテーマに取材・執筆活動を行っている。2019年、親子のための中等教育研究所を設立。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事