丸川議員「愚か者」やじ反省に透ける自民党の計算 岸田政権下で冷遇される安倍元首相の秘蔵っ子

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このため、「党執行部による“捨て駒”にされたのが丸川氏」(安倍派幹部)との見方も出る。

長妻質問を受けて取材に駆け付けた記者団に対し、丸川氏は「当時はわが党でも、私の発言を取り上げてTシャツを作る、それを販売するというようなこともございましたので、これは私も含めて、わが党が反省すべきは反省すべきだと考えております」と答え、当時の政策判断についても「過去の決定がどのようなものであっても、しっかりと今の状況にふさわしい政策を選んでいくべきだ」と語って足早に去った。

ひそかに注目を集める「安倍ガールズ」の“追放劇”

丸川氏は非業の死を遂げた安倍晋三元首相の「秘蔵っ子」で知られ、いわゆる「安倍ガールズ」の代表格。現在当選3回で、安倍氏の庇護のもと、第2次安倍政権や菅政権で五輪担当相などを務め、女性総理を狙う有力議員にのし上がったが、岸田政権下では冷遇されている。

その丸川氏は、2019年参院選東京選挙区で100万票を超える圧倒的トップ当選を果たしたことで、衆院へのくら替えや、次期都知事選への挑戦も取り沙汰されていた。それだけに、「今回の騒動は政治家として大きなダメージ」(閣僚経験者)となるのは否定できない。

また、昨年末には杉田水脈前総務政務官が事実上更迭されており、政界では「安倍ガールズの“追放劇”」(同)もひそかに注目されている。

安倍氏死去から半年あまり。自民党内でも「一強独裁」と呼ばれた安倍政治への評価が交錯する中での、今回の政治的騒動の連鎖。与党内の口さがない向きからは「まさに安倍氏のたたりに見える」(茂木派若手)との冷ややかな声も出ている。

泉 宏 政治ジャーナリスト

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いずみ ひろし / Hiroshi Izumi

1947年生まれ。時事通信社政治部記者として田中角栄首相の総理番で取材活動を始めて以来40年以上、永田町・霞が関で政治を見続けている。時事通信社政治部長、同社取締役編集担当を経て2009年から現職。幼少時から都心部に住み、半世紀以上も国会周辺を徘徊してきた。「生涯一記者」がモットー。

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