そして、友人の立場に自分を置き換えて、「もし自分と付き合っても、きっと優しく甘えさせてくれる」と、友人が幸せそうであればあるほど、友人の恋人が魅力的に見え、惹かれてしまうのです。
もちろん、友人に恋人を紹介されたからといって、誰もがそうなるわけではありませんが、もし彼に惹かれる自分に気づいたときには、あなたの中の不安ちゃんの存在に目を向けてみてください。「とても優しい彼なら、こんな私も幸せにしてくれる」というのは、あなたの不安ちゃんがそう見せている妄想にすぎません。
どれほど仲のいい友人でも、あなたと友人は違う人で、違う脳のルールで世界を見ています。友人にとって良い相手でも、あなたにとって良いとは限りません。人の価値観で相手を選ぶことのないように気をつけましょう。そうすれば、あなたに本当にぴったりな相手が見つかるはずです。
恋人の愛情を試そうとしてしまう
むかし話の「かぐや姫」の中に、かぐや姫が求婚に来た5人の若者にそれぞれ難しい試練を課す場面があります。この場合は、姫が自分との結婚を諦めさせるための方策でしたが、現実の世界でも、恋人の愛情を試そうと無理難題を突きつける方はいます。
相手が困るとわかっているのに、「私のお願いを聞いてくれないの?」「どうせ、私のことなど愛していないのでしょう?」「私より、仕事のほうが大事なのね」と、恋人に自分の意向を無理強いした経験はないでしょうか。
この場合も、根底にあるのは自分に対する不信です。自分に自信が持てず、「こんな私が大事にされるはずはない」「どうせ私は裏切られる」と、あなたの中の不安ちゃんがささやきます。そのモヤモヤを晴らすために、自分を優先してくれているという確証が欲しくなり、無理強いをしてしまうのです。そして、困っている恋人の顔、またあなたの願いを一生懸命かなえようとしてくれる姿を見て、「私のことをこんなに好きでいてくれる」と、恋人の愛情を確認し、安心するのです。
なぜ、彼に無理強いをしてしまうのか。なぜ、彼を怒らせたり、イラつかせたりするようなことを言ってしまうのか。それはあなた自身に対する不信からくるのです。恋人があなたを優先してくれているのに不安が払拭できないというときは、自分が自分にダメ出ししていないかを確認してみてください。
「人間万事塞翁が馬」ということわざがあります。
前述したように、人生には良いと感じることも悪いと感じることもあります。そして、良さそうに見えていることが反転することもあるでしょうし、またその逆も起こり得ます。つまり、日々起きている事象は、それぞれが単体で存在するのではなく、すべてがつながっているのです。
そして、私たちは一部分を切り取って、良い・悪いと感じているのです。それはまるでコインの表と裏のようなもので、見る面によって違う見え方をしているわけです。ある出来事を一側面から見るのは、コインの表面だけを見るようなものです。実際はコインの裏からも見るように別の側面もあるのです。
例えば、恋人とケンカをしたときでも「やっぱり、私は彼に愛されていないのね」と諦める方もいれば、「私たちはケンカするほど仲良くなれたのね」と事態を肯定的に捉える方もいます。コインの表を見るのか、裏を見るのか、その違いで感じ方も変わってくるのです。
恋愛は、ときめきを感じる素敵なものだと思います。ただ、その一方で相手に対する期待や不安もあり、気持ちが揺れやすいものでもあります。そして、気持ちが揺れ動くときほど、不安ちゃんの活動も活発になっていきます。
さまざまなできごとがあるでしょうが、「ものごとはコインの裏表と同じだ」というスタンスから事態を観察する力をつければ、不安ちゃんに振り回されずに恋愛を楽しむことができるでしょう。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら